実際に、日立製作所や日本航空(JAL)などがワーケーション推進に取り組んでいる。日立製作所は「地域活性化型テレワーク」と銘打ち、地方でのリモート勤務を可能に。参加した社員からは「ストレスから解放され生産性が上がった」「新しい価値観に出合えた」と前向きな声が上がっている。

地方の関係人口を増やす

個人の働き方として魅力的なだけではない。受け入れ先の地方都市にも恩恵があると本書は説く。ワーケーションで平日に、一定期間滞在する客が増えれば、その地域の魅力に気づいて交流人口や関係人口(その土地に関心を持ち関係性を築く人)も大きくなる。さらに、ワーケーションの派生形として期待されているのが「ビヨンド副業」だ。都心に勤める人材が地方企業で副業し、普段はリモートで、定期的に現地を訪れ、地域を支えるのである。働き手ともに、地方も元気になるかもしれない。

今後ますます、仕事の「いつ」「どこで」は多様になっていくのだろう。新旧の働き方の過渡期にある今こそ、手に取ってほしい一冊だ。

今回の評者 = 安藤奈々
情報工場エディター。8万人超のビジネスパーソンに良質な「ひらめき」を提供する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」編集部のエディター。早大卒。

ワーケーションの教科書 創造性と生産性を最大化する「新しい働き方」

著者 : 長田 英知
出版 : KADOKAWA
価格 : 1,650 円(税込み)

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