腰部脊柱管狭窄症と告げられた東さんも、違う医療機関の意見(セカンドオピニオン)を求めて竹谷内医院を訪れ、体操を始めた。外出先で足が痛くなると、ベンチやトイレに腰掛け、2分間前屈して足首をつかむようにしている。「痛みがおさまり、再び歩けるようになる」と東さん。

どうしても痛みが引かない場合、手術という選択肢はある。骨や靱帯の変形を内視鏡手術で削ることもできる。アレックス脊椎クリニック(東京・世田谷)の吉原潔院長は「多くは4泊5日程度の入院で済む」と話す。ただ症状の程度によっては切開手術になるケースもあるようだ。

千葉県習志野市の常重一志さん(73)は痛みがひどくなり、2年前に切開手術を受けた。ただ手術をしても完治するとは限らない。常重さんも「今も足のしびれが残る」と訴える。

吉原院長は「痛みを放置すると神経が大きなダメージを受け、脊柱管を広げても痛みが引かないこともある。やはり早期発見、早期治療が大事」と強調する。

(高橋敬治)

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外出減少 筋力低下の恐れ

脊柱管狭窄症で足に痛みやしびれがあると、外出がおっくうになり、家にこもりがちになる。竹谷内医院の竹谷内康修院長は「体を動かさないでいると筋力や運動機能が低下し、場合によっては要介護状態などになってしまう恐れがある」と警鐘を鳴らす。

外出するときは痛みが出る前にこまめに休憩。椅子があれば腰を丸めるように座ると楽になる。つえを持ったり、いざとなれば腰掛けられるシルバーカーを利用したりするのもよいという。やや前かがみの姿勢になると、痛みが和らぐためだ。健康寿命を延ばすためにも、積極的に体を動かして筋力の衰えを防ぐ大切さを竹谷内院長は訴える。

一方、足の痛みやしびれは椎間板ヘルニアや腰椎すべり症などが原因になっている可能性がある。安易に自己判断はせず、他の病気も考慮して専門医を受診するようにしたい。

[日本経済新聞夕刊 2021年9月22日付]

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