日経プラスワン

厚みのある卵焼きサンドを作るためには卵を3個使いたいが、それでは卵のボリュームがありすぎると感じたら、2個にして調味料の分量を加減しよう。加熱してから混ぜることで、ふわふわの食感になる。ただし加熱しすぎると、卵がかたくなってしまうので注意が必要だ。

「ごく普通のゆで卵で作るサンドイッチでも様々なアレンジが楽しめる」。「卵とパンの組み立て方」著者でフードコーディネーターのナガタユイさんはこう語る。

重要なのは卵のゆで加減だという。ナガタさんにおすすめの作り方を解説してもらった。まずは卵の丸みの大きい方を調理台などにコツンと当てて、割れない程度にひびを入れておく。後で殻をむきやすくするためだ。

食パン4枚で卵サンドを2組作る場合、使う卵は3~4個が目安。小鍋に卵全体が浸るくらいの水(500~550ミリリットル程度)と一緒に入れる。タイマーを12分~12分30秒にセットして強火で加熱する。沸騰してきたら、そのまま1分ほどグラグラとさせてから弱火にする。タイマーが鳴ったら湯を捨て、卵はすぐ流水で冷やす。これで余熱が加わるのを防ぐ。

こうしてゆでると、黄身はかたまってはいるものの、中心部がやわらかく、鮮やかなオレンジ色の状態になるのだという。黄身はなめらかで、白身もかたくはなりすぎず、卵サラダにしたときにも舌触りよく仕上がる。

ゆで卵を包丁でざくざくと大きめに切ると、卵の存在感が感じられ、厚めの食パンによく合う。細かくつぶして使うと、なめらかな舌触りになり、薄い食パンとの相性がよい。卵にあえるマヨネーズの分量によっても食感は変わってくる。さらには調味料や他の食材をどう組み合わせるか。様々なアレンジを楽しめるだろう。

冷蔵庫に卵を常備している家庭は多いはずだ。ときには少し工夫して自分の好みに合わせた卵サンドを作ってみるのはどうだろう。

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ゆで卵使って アレンジレシピ

ナガタさんに卵サンドのお薦めアレンジを聞いた。

(1)基本のゆで卵サラダ 切ったゆで卵1個分(塩コショウで下味)にマヨネーズ小さじ2の割合であえる。

(2)ゆで卵とコーン ゆで卵サラダとホールコーンを2対1の割合で混ぜ、粗びき黒コショウを加える。

(3)ゆで卵とハーブ ゆで卵サラダのマヨネーズを半量に減らし、その分だけ代わりにサワークリームを追加。イタリアンパセリなどハーブ類を刻んで合わせる。

(4)煮卵 ゆで卵をだし、しょうゆ、みりんで煮て漬けこむ。つぶして煮汁とマヨネーズであえて具材に。

(ライター 土井 ゆう子)

[NIKKEI プラス1 2022年11月19日付]