物価高英国でもカップヌードル220円 駐在員の心の友

日経MJ

スーパーで売られている欧州産カップヌードル(11日、ロンドン)

日本から遠く離れた英国にいると、恋しくなるのは故郷の味だ。自宅で手軽に食べられる即席ラーメンは欠かせないが、日本産の輸入品を買おうとすると3倍もの値段がするので手が出づらい。かといって現地の即席麺では物足りない。

そんな日本人駐在員や永住者らに重宝されているのが、日清食品ホールディングス(HD)のハンガリー工場で生産される「カップヌードル」だ。店にもよるが1.3ポンド(約200)円程度と、日本とあまり変わらない値段で買える。ある中国系スーパーでは日清食品公司(香港日清)からの輸入品が1.5ポンド程度なので、やや割安だ。

カレー、シーフードなどおなじみの味に加え、「SUKIYAKI(スキヤキ)」「TERIYAKI(テリヤキ)」など日本では見ない商品もある。中でもカレーが日本の味に比較的近く、駐在員の間でも人気だ。

このハンガリー工場は2004年に設立され、カップヌードルや「出前一丁」など欧州向けの生産を担ってきた。17年に約41億円を投じて新工場を稼働させ、生産能力を高めた。「欧州の食トレンドとしてアジア食が広がっていた」(日清HD広報部)ことが拡張の背景だった。