アウディe-tron GT EV時代の新フラッグシップ

2021/12/19
アウディe-tron GTクワトロ(4WD)/RS e-tron GT(4WD)
webCG

2026年以降に投入する新型車はすべて電気自動車(BEV)とすることを明言しているアウディ。日本にも「e-tron/e-tronスポーツバック」に続いて「e-tron GT」を送り込んできた。ポルシェとの共同開発によって生み出された4ドアクーペの実力やいかに!?

低く幅広いシルエット

コロナウイルスの気配さえなかった3年前の夏、アムステルダムから北京まで古いボルボでシルクロードをたどる旅の途中で宿泊したトルファンのホテルの駐車場にはびっくりするような光景が広がっていた。中国メーカーだけでなく、さまざまなブランドのテスト車両がほとんど偽装もなしにびっしり止まっていたのだ。今やデスバレーではなく新疆(しんきょう)ウイグル自治区がヒートテストの中心地になっているのだという。アウディの各種「e-tron」も数多く止まっていたが、その奥に数台だけ厳重にカバーされた、明らかに低くワイドなシルエットのクルマがあった。その数カ月後、2018年末のロサンゼルスショーで初公開されることになるe-tron GTである。アウディの電動車ラインナップの頂点に位置するe-tron GTは2021年春に国内でも発表されていたが、ようやく実車を公道で試乗する機会が巡ってきた。

他のSUV系e-tronとは異なり、e-tron GTは「ポルシェ・タイカン」とともに「J1」と呼ばれる専用プラットフォームを採用したBEVスポーツカーである。ほとんど5mの全長はタイカンよりわずかに長いが、2900mmのホイールベースはタイカンと同一だ。低く幅広く、しかもアウディらしくパキッと折り目正しいスタイルは迫力満点、巨大なホイールを強調したデザインも相まっていかにもスーパースポーツカー然としている。タイカンは最近追加された後輪駆動のスタンダードモデルのほかに、前後アクスル各1基のモーターを備えた4WDの「4S」と「ターボ」、そして「ターボS」がラインアップされるが、e-tron GTと高性能版「RS e-tron GT」はどちらも前後2基のモーターによる「クワトロ」である。

2021年4月に国内初披露された「アウディe-tron GT」(写真は高性能版の「RS e-tron GT」)。車両本体価格1399万円~という高額車ながら、すでに150台以上のオーダーが入っているという。
ホイールベースは2900mmにも達する。ボディーの高さはアダプティブエアサスペンションを装備する「RS e-tron GT」のほうが20mm低い(1395mm)。
ボディーの全幅は1965mm。リアエンドにはスポイラーが格納されている。
空気抵抗の指標となるCd値は0.24と公表されている。フロントには可変式のエアインテークが備わるほか、フロア下を覆うカバーにはディンプル加工が施される。
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タイカンとどこが違うか