散歩のお供にエッグワッフル360円 香港・ランタオ島

エッグワッフルは学生らが放課後によく食べるストリートスナックだ

香港ランタオ島の最西端に位置する小さな漁村、大澳(タイオー)がスナックの食べ歩きスポットとしてにぎわっている。棚屋と呼ばれる水上家屋が軒を連ねるのどかな村を訪ねた。

香港国際空港や香港ディズニーランドがあるランタオ島は自然が豊かで、週末はハイカーでにぎわう。空港近くのベッドタウン、東涌からケーブルカーに乗ると、眼下に空港やマカオにつながる海上橋の絶景が広がる。25分ほどでケーブルカーの終点、昂坪に着く。そこからバスに乗り換えて山を下ると大澳だ。

大澳は数百年前から漁業で栄え、塩の生産でも有名だった。香港の中でも古い歴史を持つ漁村の1つだ。産業は衰退したものの、いまも狭い路地に海産物店や海鮮料理店が並ぶ。水上家屋のカフェやピンクイルカを探すボートツアーも人気だ。

「香港で一番おいしい鶏蛋仔(エッグワッフル)」と呼ばれるのが、中心部にある「大澳華記」だ。店先には行列ができていた。鶏卵を使ったワッフル菓子で、香港が発祥と言われる。学生らが放課後によく食べるストリートスナックだ。

大澳華記は一枚一枚を炭火で丁寧に焼き上げるのが特長。1枚25香港ドル(約360円)とエッグワッフルとしては高めだが、サクサクの生地とやわらかい中身の食感は大澳華記ならでは。素朴な味わいで、いくらでも食べられそうだ。

少し歩いたところにある「大澳餅店」の店頭ではドーナツに似た揚げ菓子、沙翁を求めて行例ができていた。揚げたてに砂糖をまぶした沙翁が1つ14香港ドル。甘さを抑えた食感で、ちょっと食べるのに最高だ。ほかにも、ピーナツが入った餅やエッグタルト、フィッシュボールなど手軽に食べられるスナックが充実する。

大澳は人気ドラマ「おっさんずラブ」の香港リメイク版「大叔的愛」のロケ地として知られ、歴史的建造物の警察署を改築した「大澳ヘリテージ・ホテル」も人気スポットの1つだ。

慌ただしい香港中心部の雰囲気とは無縁のゆったりとした時間が流れる。週末は息抜きで訪れた香港人がスナック片手に散策する。

(香港=木原雄士)

[日経MJ 2021年11月14日付]

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