
発売から4年がたった、アウディのコンパクトクロスオーバー「Q2」がマイナーチェンジ。あらためてステアリングを握ってみると、その商品力の高さとともに、いくつかの気になる点も浮き彫りになってきた。
いちばん売れてる“Q”
アウディのSUV、「Q」シリーズの末っ子がQ2である。同じMQBプラットフォームを使うフォルクスワーゲンの同クラスは「Tクロス」だが、デビューはQ2がずっと先輩で、2017年に登場している。
国内発売直後、アウディ ジャパンに試乗車を借りにいったら、受付の若い女性が「やっとワタシに買えるクルマが出ました!」と言って喜んでおられた。
実際、Q2は女性にも似合うフェミニンなコンパクトSUVである。人気は高く、発売以来、Qシリーズ全体の4~5割を占めるトップセラーだという。
そのQ2がマイナーチェンジを受けた。プレスリリースには「4年ぶりの大幅刷新」とあるが、主な変更は内外装のブラッシュアップで、いちばんの刷新は、品ぞろえのスリム化である。これまでの1リッター3気筒、1.4リッター4気筒、ディーゼルの2リッター4気筒はなくなり、新たに1.5リッター4気筒搭載の「35 TFSIアドバンスト」(394万円)と「35 TFSI Sライン」(430万円)のみになった。今回試乗したのは前者である。




「前のまま」のよさもある
新しい35 TFSIアドバンストの試乗車は、アウディ初出の新色「アップルグリーンメタリック」をまとっていた。わかりやすく言うと、抹茶色だ。晴れていても曇っていても、人目をひくツカミはオッケーのボディーカラーである。抹茶(matcha)はいまや世界的に知られているから、“マッチャグリーン”でもよかったのではないか。初代「アウディR8」の時代から、「スズカグレー」というきれいな色もあるし。
このボディー色だと、リアクオーターパネルはグレーメタリックが標準になる。「ブレード」と呼ばれるこの部分の色にチョイスの幅があるのは、Q2登場時からの趣向だ。
アウディの最新デザイントレンドにのっとり、LEDライトのフロントマスクは表情が少しシャープになった印象を受ける。隈どりがよりはっきりしたというか。
内装はとくに大きく変わっていない。7段DCTのセレクターのデザインが新しくなった。ダッシュボード中央に並ぶプッシュボタンをはじめ、スイッチ類がアナログなのはうれしい。
最近は、エアコンでもオーディオでも、すべてディスプレイにスイッチを呼び出して操作させるようなクルマが増えている。それじゃあ、ディスプレイが壊れたら全滅ではないか、といつも思うのだが、その点、Q2は4年前のちょっと古いインターフェイスがかえって使いやすい。



