自宅おでん 下準備は炊飯器で、煮崩れなく味しみしみ

家で作るおでんは、自分好みのつゆに好きな具を好きなだけ入れられるのが魅力=大岡 敦撮影

中まで味がしみて、煮崩れしないおでんのコツは「グツグツ煮ない」こと。じっくり保温することで、具の魅力やつゆのおいしさを十分に味わうことができる。

寒い日にはホカホカと湯気の立つ温かいおでんが食べたくなる。コンビニや店で食べるのも手軽だが、家で作るおでんには、自分好みのつゆに好きな具を好きなだけ入れられるという魅力がある。

おでんの具はゴロッと大きく、それでいて中までよく味が染みているのが理想だ。そのためには、全ての具を鍋に入れてグツグツ煮込めばいいというわけではない。煮込みすぎると具によっては煮崩れてしまったり、逆に硬くなってしまったり。素材の魅力やつゆのおいしさが損なわれてしまう。中まで味が染みて、かつ、具もつゆもよい状態で仕上げるためのポイントは「温度」にある。

「沸騰したつゆでグツグツ煮れば味が早く染みる」。これは確かに正しい。具に味が染み込むスピードは、温度が高いほど速くなる。一方で、沸騰したつゆの中では他の反応もよく進む。

例えば、大根やジャガイモなどの野菜は、高い温度で加熱するほど速くやわらかくなる。中まで味が染み込むよりもやわらかくなる方が早いので、味が染みるまで煮ていると途中で煮崩れてしまう。

また、鶏手羽肉は沸騰した状態でしばらく煮ると、肉の繊維同士や、肉と骨とを接着していたコラーゲンが分解されて溶け出し、ほろほろとやわらかくなる。ほどほどならおいしいのだが、煮込みすぎるとスカスカになってしまう。反対に、こんにゃくや卵は煮れば煮るほど硬くなり、これも食感が悪くなる。

そこでよく言われるのが「一晩寝かせたおでんはおいしい」。これも確かにそうだ。下ごしらえをした具とつゆを鍋に入れてひと煮立ちさせたら、涼しいところや冷蔵庫で一晩寝かせておけば、その間にゆっくりと味が染み込む。常温や冷蔵ならば、野菜がそれ以上やわらかくなったり、こんにゃくや卵が硬くなったりせず、適度なやわらかさのまま味だけが染みるのだ。

おでんや煮物のコツとして「冷めるときに味がよく染みる」とよく言われるが、実際には「冷めるときに“も”味が染みる」といった方が正確だろう。冷ましながら味を染みさせるのは、味をよく染みこませるためというより、「煮えすぎない」ためだ。

しかし、一晩寝かせるという方法には時間がかかるという難点がある。筆者はせっかちなので、今日作ったおでんを今日食べたい。そこで活用しているのが炊飯器の保温モードだ。

下ごしらえした野菜、ゆで卵、こんにゃく、肉類を炊飯器の内釜に入れ、温めたつゆを注いで保温しておく。練り物は早くから入れると味が抜けてしまうし内釜に入りきらないので、食べる直前に炊飯器の中身と一緒に鍋に入れ、軽く煮て仕上げるとよい。

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