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セルフチェックもできる。できれば休まずに1キロメートルほど歩いてみる。いつも同じくらいの距離で脚の筋肉が痛くなれば、ASOの可能性がある。また足の裏や指に治りにくい傷がある場合は横になって両脚を上げ、人に足先の色を見てもらう。血流が悪いと血の気がうせて皮膚が白くなる。

治療は軽度なら薬物療法と運動療法が中心。症状が強い場合は血管内治療を検討する。脚の付け根や腕の血管からカテーテルを挿入し、バルーンやステント(網目状の金属)で血管内を広げ、血流をよくする。「歩行が改善し、脚の切断を9割程度回避できる。この10年ほどで医療器具が進歩し、再発率が格段に減った」と飯田部長は語る。

動脈硬化は長い時間をかけて進むため、生活習慣がものをいう。東教授は「人生100年時代、年をとっても自分の足で歩けるよう、若いころからよく歩く習慣を身につけ、喫煙や脂質、高血糖など血管に蓄積する害を遠ざけておくことが重要だ」と訴える。

(ライター 佐田 節子)

[NIKKEI プラス1 2022年10月8日付]

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