メルセデス・ベンツEQS450+ 体験したことのない静けさ

2021/10/10
メルセデス・ベンツEQS450+(RWD)
webCG

メルセデスEQの新たな電気自動車「EQS」は新開発のEV専用プラットフォームを使う。そこが既存の「EQC」や「EQA」とは異なる、“S”ならではの扱いなのだろうか。条件付きながら将来のEV専業化を宣言したスリーポインテッドスター、フル電動フラッグシップの仕上がりやいかに!?

ベンチマークの座は譲らない

世界が新型コロナウイルスの猛威にさらされ始めてから約1年半、われわれ日本をベースに活動するジャーナリストは、海外取材が事実上不可能となっていた。だが、ここ数カ月で欧米諸国のワクチン接種率が上がり、状況が落ち着き始めたことで、一部の国は日本人の入国が可能になった。そこでメルセデス・ベンツは、2021年7月にスイス・チューリッヒで新型ラグジュアリーEVであるEQSの国際試乗会を実施。私は幸運にも、このメルセデス・ベンツとして「コロナ後初」の国際イベントに参加することができた。

EQSは、その車名からも分かるとおり、メルセデスの電動化サブブランド「EQ」における「Sクラス」に相当するモデルである。コンセプトカーの「ヴィジョンEQS」が登場したのは2019年9月のフランクフルトモーターショーで、市販バージョンは2020年4月の上海モーターショーでお披露目されている。

今から5年前の2016年、メルセデス・ベンツはパリモーターショーでEQブランドの立ち上げと「CASE(コネクテッド、オートノマス、シェアード、エレクトリック)」の戦略を発表。電動化へと大きく舵を切った。2017年には、2022年までに全モデルに電動パワートレインを設定すると明言。2019年にはサステイナビリティー戦略「AMBITION 2039」を発表し、2030年までに新車の50%以上をEVまたはプラグインハイブリッド車(PHEV)とする目標を掲げる。そしてつい先日の7月22日には、「市場環境が許せば」という注釈付きだが、「2030年にはEV専業メーカーとなることを目指す」と目標をさらに引き上げた。どこまで本気なのかは分からないが。

とはいえヨーロッパのプレミアムカー市場に電動化の波が押し寄せていることは事実。メルセデスとしてはこれまでと同様に、EVでもベンチマークとなり、市場をリードする存在とならなければ、ブランドの存在意義にかかわるだけに、危機感はかなり大きいはずである。

メルセデス・ベンツの電動化サブブランドであるEQのフラッグシップモデルとして投入される「EQS」。未来的なエクステリアが印象的だ。
ボディーのスリーサイズは全長×全幅×全高=5216×1926×1512mm で、ホイールベースは3210mm。全長は「Sクラス」の標準モデルと同等で、ホイールベースはロングボディーモデルと同等。
流れるようなルーフラインが美しい。トランクルームはなく、リアにハッチゲートを備えた5ドア車である。
キャビンの広さが最優先されており、フラッグシップサルーンでありながらフロントオーバーハングが極度に短い。レイアウトの自由度が高いEVならではのデザインだ。
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満充電からの航続可能距離は780km
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