日経MJ

2022/8/28

在庫を廃棄せず SDGsも実現

余剰在庫を廃棄せず売ることはSDGsの実現にもつながる。ラックラックは捨てずに販売したことで減らせた二酸化炭素の量をウェブサイトで公開している。同社がこの業態を立ち上げてから今月上旬までに累積された削減量は約4340トンに及ぶ。

大宮マルイ店の尾上博史店長は「商品を売ることが社会貢献になるのは仕事のモチベーションにもつながる」と語る。以前働いていた衣料品店では捨てざるを得ない余剰在庫に頭を抱えることもあったという。

大宮マルイ店はもともと5店舗が入っていた跡地に出店した。売り場のなかに通路があるため、学生からシニアまで幅広い層が立ち寄っているという。ポップアップストアとして当面は9月までの運営予定だ。

ラックラックは2019年から展開するブランド。足元では関東や関西などで20店ほど展開する。国内のオフプライスストアでは最大級の店舗数だが、知名度は限定的だ。

人通りの多い駅近の商業施設などで消費者に魅力を知ってもらう必要があり、東急プラザ表参道原宿店(東京・渋谷)などをポップアップストアとして出店している。

ゲオHDはかつて主力事業だったレンタルビデオの市場が縮小する中、リユース販売の「セカンドストリート」などに注力してきた。オフプライスストアは膨大な数の一点物を目利きして仕入れや販売をする点で中古品販売と似た側面もある。リユース事業で培ったノウハウを生かし、国内でオフプライス業態の拡大を図る。

(森匠太郎)

[日経MJ 2022年8月10日付]

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