日経プラスワン

「作業場をゼロ状態にする」という方法は、デスクだけでなく家全体で役に立つ。デスク周りが片付いたら、テレワークの日に過ごす時間の長い順に、片付けを進めていこう。テレワーク中につい家事をしてしまい、集中力が途切れるという声を多く聞くが、動線上に家事を想起させるものが転がっているのが原因だ。脱ぎっぱなしの靴下が視界に入れば、つい洗濯を始めてしまう。菓子が食卓に出しっぱなしになっていれば、ついつまみ食いをしてしまう。

もちろん家中を整理整頓するのがベストではあるが、完璧に仕上げるには最低で30時間の作業が必要。時間がない人は、まずは気になるモノから順に、視界から消してみよう。ポイントは3秒以内に視界から消せる仕組みをつくること。部屋着をいちいち畳んでタンスにしまったり、洗濯機に入れたりするルールは、面倒すぎて三日坊主を招く。リビングに置いた大きめのカゴに投げ入れておいて、仕事が終わったあとにまとめて処理すればよい。

漫画やゲームはフタ付のケースにしまう。山積みの書類はリマインダーをセットしてファイルに。原始的ではあるが、視覚から物理的に消してしまうことで、集中力は驚くほど高まる。だまされたと思って試してみてほしい。

机や床をゼロ化すると、掃除のハードルも大きく下がる。ロボット掃除機も小さい子どもも、掃除を手伝いやすい。精神的効果もあり、禅の「無」の思想が自宅で再現できる。オフィスやカフェに行かずとも、心穏やかに仕事に励める環境を、あなたの家にも構築しよう。

◇  ◇  ◇

すぐ使わないモノは押し入れに

「今は使わないけれど、捨てられないモノ」の存在が、使用頻度の高いモノの定位置を奪い、出しっぱなしを招く。今すぐ使わない本や文具は、箱などに詰めて押し入れやクローゼットに保管しよう。仕事の状況などに応じ、適宜入れ替えるのが大切だ。

押し入れは部屋にとって「ふくらはぎ」のような存在だ。老廃物がたまると部屋全体のモノの流れが悪くなる。最低でも年2回、衣替えのタイミングなどに、全部中身を出して仕分けをし、必要がなくなったものは処分しよう。

(整理収納アドバイザー 米田 まりな)

[NIKKEI プラス1 2022年3月5日付]