
長引く新型コロナウイルス禍で、テレワークに集中できないという悩みをよく聞く。家族が気になる、誘惑に負けてしまうなど理由は様々。集中力を高める部屋づくりのコツを紹介しよう。
あなたのデスクの写真を撮ってほしい。何種類のモノが写っているだろうか。積ん読している本、未処理の書類、ぎっしり詰まったペン立て……。デスクはモノ置き場ではなく作業場であり、余白があるほど集中できる。もし「今週1度も触っていない」アイテムが机の上に1つでも乗っていたら注意したい。
人が視覚刺激を処理するとき、ボトムアップ型注意とトップダウン型注意が相互に働いているという。このうちボトムアップ型注意は、自らの意志と関係なく、目に入った刺激から潜在的に働くもの。デスク上に散らかった荷物は、意図せずともあなたの潜在意識に入り込んでしまう。
ボトムアップ刺激の中でも特に厄介なのが、未完了のタスクを想起させるモノだ。米国の心理学者、リンダ・サバディン博士は著書の中で「先延ばしは人の自尊心を傷つけ、想像のエネルギーを奪う」と述べている。参考書や自己啓発本を、背表紙が見える形でズラっと並べている人は要注意。手元では精緻な経理処理をしながら、心の中では資格試験の勉強が進まないことを憂いているといったことになりかねない。これでは目の前の処理をミスしたり、やる気がそがれたりして当然だ。
まずは一度、デスクの上から徹底的にモノを排除することだ。排除したモノを収納するために、デスクの横には3段のカラーボックスを置く。キーボードやマウス、アダプター類、参考図書やノートなど、使用頻度の高いモノは、このカラーボックスに収納。仕事始めに必要なモノを取り出して机の上に乗せ、仕事終わりにカラーボックスに戻す。片付ける行為は副交感神経を刺激する効果がある。儀式のように道具を出し入れすることは、オン・オフの切り替えスイッチとしても有効だ。
よく使うものを蓋付きカゴや引き出しに仕舞いこむのはNGだ。出し入れしやすいよう、ノールックで手を伸ばせる位置に置く。ノートパソコンやティッシュボックスを平置きすると棚の面積を食ってしまうので、ブックシェルフに立てて収納するとスペースを有効に使える。
アダプター類は透明なジッパー付き保存袋に入れて、箱にしまう。何が入っているか一目で分かり、コードが絡まるのを防いでストレス軽減になる。今週使わない道具はカラーボックスではなく押し入れなどへ。デスク周りの棚が荷物でギッシリだと、出し戻しがおっくうになるからだ。