おいしいワインは3000円 常識度外視で楽しむ方法『ワインの嘘 誰も教えてくれなかった自由な楽しみ方』

「ワインを楽しむには知識が必要」。そう思っている人は意外に多い。かくいう私もそうである。そのため、ビールやサワーのように気軽にたしなむことができない。そんなワイン初心者の背中を押してくれるのが本書『ワインの嘘』だ。「ワインに教養はいらない」と、うんちくや堅苦しいマナーを一蹴し、ワインを自由に楽しむことを勧めるアウトローなワイン本である。

著者の宮嶋勲氏は、イタリアと日本でワインや食について執筆活動を行うジャーナリスト。イタリア文化への貢献により、「イタリアの星勲章・コンメンダトーレ章」をイタリア大統領から授与された経歴を持つ。

ワインを番茶のように飲む

フランスやイタリアに旅行したことがある人は、お気づきかもしれない。西欧におけるワインは、庶民的な飲み物だ。アルコール飲料という意識すらなく、日本で言う番茶の位置づけだと著者は語る。日本人で番茶に高品質を求める人は少ないように、日々のワインに人は多くを要求しない。高級ワインの産地であるブルゴーニュでも、スーパーで地元客が買うワインを見ると、廉価な外国産や南仏のものが多いという。

本書によれば、グラスや合わせる料理も自由でいいようだ。大きめのグラスはワインと空気がよく混ざり、華やかな味わいになると言われるが、小さめのグラスでも振り回せば済む話と著者はさらりと流す。マリアージュにこだわる必要もない。懐石料理に赤ワインでも構わない。飲みたい気持ちを無視してまで、常識やマナーにこだわるのは本末転倒である。著者のたしなみ方はどこまでも自由だ。

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