日経プラスワン

松田さんは「形崩れを防ぐため、内側にタオルを詰め、帽子のサイズに合った目の粗い洗濯ネットに入れて洗ってみてほしい」と助言。すすぎと脱水の機能も使えるが、時間は短く30秒程度にする。

手洗いできる場合、自宅でしてみるのも一案だ。石原クリーニングきんすシミ抜き研究室(横浜市)の金須壮央さんは「帽子は汗や紫外線で生地が劣化し、色落ちしやすくなる。水にぬらす時間は短く、素早く洗って乾かすようにしてほしい」と説明する。

まず洗面器に水をため、洗濯用の中性洗剤を2~3滴入れる。帽子の頭を下にして水に入れ、左右に3~4回泳がせるように軽くゆする(振り洗い)。スベリ部分を軽くこすり、汚れを落とす。さらに水を替えて軽くゆすってすすぐのを2回ほど繰り返す。柔軟剤を使う場合、すすぎの水に2~3滴含ませるとよい。

水気を切るときは絞ったり、大きく振ったりはせず、タオルを内側に詰めて水分を移し、表面は丁寧に拭き取る。その後、タオルを詰めたまま風通しのよい場所で乾かす。伏せたザルや2リットルサイズのペットボトルにかぶせるなど、浮かせた状態で干そう。

水洗いが可能でも、多色だったり、色が濃かったりするもの、生地が古いものは色落ちや境界線がにじむなどのトラブルが起きやすい。ラベルが海外表記の帽子にも注意したい。金須さんは「その帽子の製造国では水洗い可能でも、日本では色落ちする例がある」と指摘する。この場合、スベリを清潔にする程度に留めたほうが安心だ。

普段の手入れにも気を配りたい。毎日のように帽子をかぶるオーバーライドの松田さんは「取り外して繰り返し洗えるテープをスベリにはっている」と話す。帽子売り場やネット販売で入手でき、週1回の頻度でテープだけ洗濯機で丸洗いしているという。

素材や形によって帽子のかぶり方、扱い方も変わってくる。「天然繊維で中心がくぼんだ中折れ帽子だと、持ち方によってはひび割れの恐れがある。着脱するときは両手でつばを持つとよい」(松田さん)。購入時に注意点を聞いておくのも大事だ。

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針金ハンガー曲げて干す手も

帽子を洗った後、乾かすときも注意が必要だ。ザルなどにかぶせて浮かせて乾かすケースが多いが、石原クリーニングの金須さんは針金ハンガーを使った干し方を紹介する。ハンガーの両端を折り曲げ、帽子を引っかけられるようにフック状にするそうだ。

天然繊維でできていて形崩れしやすいもの、デザイン性が高いものは収納も工夫したい。田中帽子店の中田さんは「筒状にした厚紙に逆さに入れておこう」と勧める。乾燥剤も一緒に袋に入れて密封すると、湿気や形崩れを防ぎやすいという。試してみよう。

(ライター 児玉 奈保美)

[NIKKEI プラス1 2022年7月2日付]