冷蔵庫内、効率良く冷やすには 冷凍は隙間なく詰める

日経プラスワン

食材の保存に欠かせない冷蔵庫だが、効率的に使えているだろうか。食材をダメにしてしまったり、庫内がぎゅうぎゅう詰めで入りきらなかったり……。上手な収納方法を専門家に聞いた。

「冷蔵室の適正な収納量は全体の7割まで」と話すのは、三菱電機静岡製作所冷蔵庫営業課の黒飛早絵さん。特に「冷気の吹き出し口をふさぐように食品を詰め込むのは避けてほしい」。室内を効率的に冷やすためには、冷気の通り道を確保することが必要だからだ。吹き出し口前のスペースを空けるように心がけると、収納にも余裕が生まれる。

ドアの開けっ放しも庫内の温度を上げ、効率を悪くする要因だ。黒飛さんは「使う頻度の高いものは、目線の高さに置いておくと、無駄な動きが減り、探すストレスからも解放される」と提案する。

冷凍室は、冷蔵室とは逆に、隙間なくぎっしり詰める。「凍った食品同士が保冷剤の役目を果たすので、効率が良くなる」と黒飛さん。深さのある冷凍室の場合、パッケージを立てて並べると取り出しやすく、食品が迷子になりにくい。缶ビールや炭酸飲料は凍って破裂することがあるので、冷凍庫には不向き。ペットボトルも、冷凍専用のもの以外は注意が必要だ。

冷蔵庫内の温度は、冷蔵室が0~6度、野菜室が3~9度、チルド室が約0度、冷凍室がマイナス22~マイナス16度に設定されている。食材によって保存に適した場所は異なるが、使い方に悩むのがチルド室だ。

黒飛さんは「チルド室は食材が凍らないぎりぎりの温度。肉や魚など鮮度を保ちたい生鮮食品はもちろん、ソーセージ、ハム、ちくわ、かまぼこなど加工食品の保存にも向いている」と話す。発酵が進みにくいので、納豆やチーズなどの発酵食品もチルド室での保存が適している。

豆腐やヨーグルトのような水分の多い食品はチルド室に向かない。水分が多いと凍りやすく、食品の風味を損なってしまう。冷蔵庫の取扱説明書には、食材や食品に適した保存場所が載っているので、一度じっくり読んでおこう。

食品ロス削減に取り組む料理研究家の行長万里さんは「冷蔵庫は『何でもボックス』ではない。詰め込みすぎると、庫内に死角ができ、食品ロスにつながりやすい」と注意を促す。行長さんが勧めるのは、冷蔵室内のモノの居場所の仕分け。調味料などのストックを置く場所、すぐに食べるものを保存する場所などをおおまかに決めておく。

引き出し式のトレーの活用も有効だ。「奥の方の食品を取り出しやすくして、しまい忘れを防ぐ。食品の管理も楽になる」(行長さん)

野菜の保存も一工夫したい。行長さんは「野菜は畑で生えていた状態で保存すると鮮度が長持ちする」とアドバイスする。ホウレンソウやネギなどは立てた状態で入れるとよい。一方、ジャガイモやサツマイモなどのイモ類、タマネギや、ゴボウなどの根菜類は常温保存が向いている。土がついているものは洗わずそのまま保存したほうが風味も長持ちする。

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