2021/10/2

一般職が廃止された10年、転勤のない「エリア職」では最高位となる業務課長に47歳で就いた。まもなく異動した人事部で「会社人生最大の壁」にぶつかる。産休に入った後輩の穴埋めとして、業務課長でありながらデータ入力作業など事務処理を任されたのだ。「男性だったらキャリア上『やらなくていいこと』なのに、とがくぜんとした」

やるせなさを抱きつつ、ここでも仕事には手を抜かなかった。「やるしかない」。黙々と目の前の事務作業をこなした。

そんな姿を周囲は見ていた。人事グループの課長、会計統括部長を経て20年、担当役員に呼ばれた。「次は損保ジャパンキャリアビューローの社長だから」

新型コロナウイルスの感染拡大で、人材派遣業には逆風がふく。だがこれまで壁にぶつかっても踏ん張り、苦労は実を結んできた。今回も「なんとか乗り越えられる企業体質の構築を目指す」と日々、奮闘する。

(聞き手は高橋里奈)

[日本経済新聞朝刊2021年9月27日付]