昆虫は将来の栄養源!? 人口急増見据え見直し機運

突然ですが、昆虫を食べたことはありますか――。日本では昔からイナゴのつくだ煮などが有名だが、国連食糧農業機関(FAO)が5月に食糧問題への対処として「昆虫食」を薦める報告書を発表し、にわかに関心が高まっている。動物性たんぱく質が多く含まれ、家畜より増産しやすいとされる。将来の人口爆発を見据えて昆虫が新たな栄養源になるとの見方もある。

長野県伊那市の「塚原信州珍味」。店頭にはイナゴ、蜂の子、蚕のさなぎ、ザザ虫の甘露煮などがずらり。「1番人気はイナゴ。最近はさなぎの注文も勢いよく伸びています」。店主の塚原慎也氏が説明する。顧客は地域住民が中心かと思いきや「FAOの報告書の反響もあり、全国から注文が相次いでいます」。

ちなみに記者は昆虫食の経験がないが、店主のご厚意で1つずつ口に入れてみた。それぞれ味の深みや食感が異なる。蜂の子は見た目もグロテスクではなく、白米にあいそう。さなぎは少し濃いめの味で、イナゴはパリパリのかみ応え――。何とかのみ込む。

高栄養で健康的

「虫すし」=内山昭一氏提供

昆虫食への関心はここ数年で高まりつつあり、5月にFAOが出した報告書「エディブル・インセクツ(食べられる昆虫)」で火がついた。世界で少なくとも20億人が、1900種類以上の昆虫を伝統食などで食べており、「高脂肪、高たんぱく、ビタミン、食物繊維やミネラルに富んだ高栄養かつ健康的な食糧源」などと紹介した。甲虫や芋虫、蜂やアリなどが世界で消費されているという。

元東京農工大学教授(応用昆虫学)で「世界昆虫食大全」(八坂書房)などの著書がある三橋淳氏は「毒を持っている昆虫は少なく、大抵は食べられる」と解説する。

「虫ピザ」=内山昭一氏提供

調理法は焼く、ゆでる、煮る、など様々。初心者は高温で空揚げにすれば食べやすい。生でそのままもあるが、体内の寄生虫や細菌なども一緒にのみ込む恐れがある。熱を通した方が無難だ。一部の愛好者は「虫すし」や「虫ピザ」にして食べるようだが、上級者向けと心得よう。

次のページ
粉にして混ぜて
ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント