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「完璧」な女性像捨てよ 米バーナード・カレッジ学長 デボラ・スパー氏インタビュー

2013/5/10

働く女性が増加している米国でもトップの地位に就く数はまだ少ない。今秋、女性が直面する「過剰な期待」の弊害を指摘した新著「ワンダーウーマン―性、パワー、完璧の追求(Wonder Women: Sex, Power, and the Quest for Perfection)」を出版する米コロンビア大学付属バーナード・カレッジのデボラ・スパー学長にその背景を聞いた。

デボラ・スパー米バーナード・カレッジ学長(Steve DeCanio)

――新著の主題はどのような内容でしょう。

「この50年で、女性は女性が期待したほどの進歩を遂げていません。米国のあらゆる分野を見ても、トップの地位に占める女性の割合は14~20%にすぎません。その理由を職場だけでなく女性の人生全体から探ってみました。最大の問題は、女性は男性よりはるかに高い『期待』に直面するということです」

「今日の女性はキャリアウーマンとして成功し、よき妻・母であり、さらにずっと美しくセクシーであり続けなくてはならないと感じています。そのことに押しつぶされそうになっているのです。一方で男性はこうした期待をうまく取捨選択しています。フェミニズム以降、女性の人生は期待の『呪術』によって楽になるどころか、より複雑で困難になっているといえます」

「有力なビジネスマン、例えばジェームズ・ダイモン(JPモルガン・チェース会長)やスティーブ・ジョブズ(アップル創業者)の業績を語る場合、我々は子育てや地域への貢献などを問うことはありません」

「しかし、乳児を育てながら会社の建て直しに取り組んでいるマリッサ・メイヤー・ヤフー最高経営責任者(CEO)がテレワークを禁止すれば非難します。会社再建と職場環境の改善を同時に期待するのは全く現実的ではありません。ダイモン氏が社員の家族に配慮した方針を打ち出しているかを問題にする声はないのです」

「フェイスブックのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)の著書も『一部のエリート女性しか対象にしていない』と批判を浴びました。彼女が全ての答えを示していないのは事実ですが、著書が注目を集め、女性のトップが少ないことに関する議論を促したのは素晴らしいではありませんか」

――女性が高い期待に直面するのはなぜですか。

「一因が『完璧』な女性像を描きがちなメディアにあるのは明らかです。しかし女性自身が高い期待を自分たちに課している面もあります。女性は自分にも他の女性に対しても、1つの分野での成功に焦点を当てるべきでしょう」

「また互いを批判したり比較したりするのは、トップの地位に女性が少ない現実を反映しています。女性のリーダーが少ないからターゲットになるのです。女性の数が増え、存在が普通になれば、常に『女性としての立場』を代表するプレッシャーを感じることなく自分自身を主張できるようになるでしょう。誰もが強制されることなく自分にあった選択をできるようになるのが理想ではないでしょうか」

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