女性活躍、輝くか福井モデル 習わし変え目覚める力Wの未来 やればできる

女性(Woman)の活躍によって経済を成長させる「ウーマノミクス」が注目されている。期待通り、日本を救うのか――。

専業主婦いない

「母も友人のお母さんも皆、専業主婦じゃない」。福井県出身のサービス業の女性(23)は言う。同県は共働き率が日本一。30~40代の妻の4人に3人、45~49歳では8割超が働く。女性1人当たりの子供の数も多い半面、保育所に入れない「待機児童」はゼロだ。

女性リーダーを育てる県の講座で意見を交わす参加者(福井市)

世帯あたり預貯金残高なども全国トップクラス。ただ、いい事ずくめではなく、管理職の女性比率は国内で常に下位。福井では3世代が同居または近くに住むケースが多く、母親も働きやすいが、一方で男性の家事参加は少ない。女性の家事負担が大きいことが活躍の障害と分析する県は「女性をもっと生かし経済を良くしたい」(総務部)と2つのことに取り組む。

まず女性リーダーを育てる講座。月1回、県内企業の女性社員にマーケティングや企画などを学ばせる。参加する女性(27)は「結婚、出産後も自分らしく働きたい」と話す。もう1つが夫の家事参加を促す狙いで始めた「家事チャレンジ検定」だ。

福井モデルの成否は日本の将来を占う。国内の生産年齢(15~64歳)人口は1995年をピークに減少。政府が成長戦略のひとつに掲げるのも女性の活躍促進だ。女性の就業率は男性より20ポイント以上低く、多くの先進国に比べても低率で、潜在力が大きい。今後、医療・福祉やサービス業で就業者が増える産業構造の変化も女性に追い風だ。

日本経済新聞社がマクロミルの協力を得て20~50代の男女1000人に聞いたところ、4人に3人が「女性の活躍推進は日本経済を活性化する」と答えた。

現状のしわ寄せ

長野県松本市で昨年末に始まったコミュニティーFM放送「エフエムまつもと」に勤める宇留賀咲江(37)。出産後に大きな仕事を任されなくなった前の会社を辞め、今は残業もこなし2児を育てる。「正社員で刺激もある仕事」と満足げだ。

しかし女性が自らを生かし働くには現状は厳しい。年功序列や終身雇用で流動化しない労働市場、長時間労働や拡大するパートなどの非正規雇用、女性に偏る育児や家事の負担……。「真面目な女性ほど現状を抱え込みがち」。働く母親のブログを主催する青山直美(47)は指摘する。

ハードルを一つひとつ見直し乗り越えた時、眠れる女性の力は経済成長の新たな地平を開く。(敬称略)

<5兆円の超のGDP創出> これからの日本は少子高齢化による働き手の減少が経済成長を妨げる。ニッセイ基礎研究所に試算してもらったところ、労働生産性や働く女性の比率が今のままなら、2020年の実質国内総生産(GDP)は12年に比べて5.9%、金額にして30兆円ほど減る。しかし政府が成長戦略で掲げる20年に25~44歳の女性就業率を73%に上げる目標を達成すれば、GDPを5兆円超押し上げられる。男性並みの就業率になれば70兆円近く増やす効果がある。
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