電子書籍も「定額読み放題」、音楽・動画の成功モデル追う

作品を1つずつ購入して所有するのではなく、月単位で一定額を支払えば、コンテンツを好きなだけ楽しめる──。

図1 インターネットとモバイル機器の普及を背景として、定額コンテンツ配信サービスが浸透しつつある。電子書籍でも月額数百円を支払うことで、一定数の電子書籍が読み放題になるサービスが複数登場してきた

そんな定額サービスは、「Hulu」など映画やドラマが見放題となるサービスや、ソニーの「Music Unlimited」など音楽の聴き放題サービスではおなじみだ。これらに加え、今後は電子書籍でも「定額読み放題」が定着しそうだ。月数百円で電子書籍がいくらでも読める、スマートフォン(スマホ)やタブレット向けのサービスが相次いで登場してきたのだ(図1)。

特に動きが目立つのは、コミックの分野。2012年12月にスタートしたKDDIの「ブックパス」は、約500冊のコミックをそろえる(図2)。例えば「ブラック・ジャック」「火の鳥」など150冊以上の手塚治虫作品が読める。

図2 小説や実用書を扱うサービスのほか、コミックに特化したサービスもある。ブックパス(アンドロイド版)とビューン・コミックはダウンロードした書籍をオフラインでも読める

これまで雑誌の読み放題サービスを提供してきたソフトバンク系のビューンは、2013年3月に「ビューン・コミック」を開始。利用者層に合わせて「侍ジャイアンツ」「哭きの竜」「ブラック・エンジェルズ」など40~50代男性に向けたコミック作品をそろえている。

定額課金ビジネスを確立したい

KDDIやソフトバンクなど通信事業者が読み放題サービスを手掛ける理由は2つ。一つは活用法をユーザーに提示することで、スマホやタブレットの利用拡大につなげるため。もう一つは、安定した収益が得られる定額課金型のビジネスモデルを確立するためだ。

スマホやタブレットの場合、ユーザーはアプリマーケットを通して、アプリを1つずつ購入する。ただ、携帯電話から乗り換えた人の中には「スマホを購入したものの、どのアプリを使えばよいのか分からず、うまく使いこなせないという人が多かった」(KDDI)という。

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