「子どもの誕生日に有休とっちゃう。これって、アリ?」
トヨタラクティスが「イマドキ家族調査」(2010年)でこんな問いを投げかけたところ、回答者全体では「あり」が66.8%と多数派だったが、年齢別にみるとかなり濃淡がある。20、30歳代は7、8割が「あり」と回答しているのに対して、50、60歳代では「なし」が多数派だ(図5)。
「子どもを置いてほいほい出張するような女と結婚したお前が悪い」
Aさん(40歳代の男性)は、こうした世代間ギャップにより、パタハラの被害を受けた一人だ。
7年前に彼が最初の育休を取得した際、職場では男性の第一号取得者だった。育休を取得したいと申し出たAさんの言葉に、上司は苦虫をかみつぶしたような顔で言った。
上司: 「なんで、男のおまえが育休なんて取るんだ。キャリアに傷がつくぞ」
Aさん: 「たかだか4カ月のブランクでキャリアに傷がつくとしたら、僕がそれまでの人間だったということです」
上司: 「子どもの教育費は何千万円もかかるんだぞ。いっぱい残業して金を稼ぐ。これが家長としてのあるべき姿だ!」
Aさん: 「うちの場合、妻の方が給料も高いので妻を世帯主にしているんです。僕は家長ではありません…」
上司: 「そういう問題じゃない!バカモノ」
Aさん: 「たかだか4カ月のブランクでキャリアに傷がつくとしたら、僕がそれまでの人間だったということです」
上司: 「子どもの教育費は何千万円もかかるんだぞ。いっぱい残業して金を稼ぐ。これが家長としてのあるべき姿だ!」
Aさん: 「うちの場合、妻の方が給料も高いので妻を世帯主にしているんです。僕は家長ではありません…」
上司: 「そういう問題じゃない!バカモノ」
最終的には人事部門が間に入り、「育休を取得させないと、会社が労基署から摘発されかねない」ということで、Aさんは育休を取得できた。しかし、育休復帰後もパタハラは続く。
Aさん: 「子どもが熱を出したという連絡を保育園から受けたので、すみませんが早退します」
上司: 「バカモノ、そんなのは女房の役割だろ!」
Aさん: 「うちの妻は出張中なので無理です。私は今日やるべき仕事はもう終えていますから」
上司: 「そういうマイホームパパって奴(やつ)は、会社には不要なんだ。そんなことをしていると、評価を最低に落とすぞ」
Aさん: 「私は仕事をきちんとやっています。それに、家族の看護で休暇を取得できると就業規則にも書かれていますが」
上司: 「家庭の事情で会社に迷惑をかけるのだから、評価が下がるのは当然だろう。そもそも、子どもが小さいのに、ほいほいと出張するような無責任な女と結婚したおまえの配偶者選択が間違っている!会社に迷惑をかけるな」
上司: 「バカモノ、そんなのは女房の役割だろ!」
Aさん: 「うちの妻は出張中なので無理です。私は今日やるべき仕事はもう終えていますから」
上司: 「そういうマイホームパパって奴(やつ)は、会社には不要なんだ。そんなことをしていると、評価を最低に落とすぞ」
Aさん: 「私は仕事をきちんとやっています。それに、家族の看護で休暇を取得できると就業規則にも書かれていますが」
上司: 「家庭の事情で会社に迷惑をかけるのだから、評価が下がるのは当然だろう。そもそも、子どもが小さいのに、ほいほいと出張するような無責任な女と結婚したおまえの配偶者選択が間違っている!会社に迷惑をかけるな」
こんな会話が繰り広げられたという。結局、Aさんは同業他社に転職したが、当時のことを話すと、今も憂鬱そうな顔になる。