米国では「胴が長い」のもチャームポイント米国NPの診察日記 緒方さやか

2013/10/11
米国の医療機関などで働きながら、出産・育児を経験した著者が、仕事・出産・子育て・文化の違いなど、さまざまな切り口で、米国社会とそこで働く女性の現状を紹介。読めばリアルな米国が見えてきます。さて、今回取り上げるテーマは米国での美意識。筆者は、ばっちり二重&鼻の高い友人から一重の目をほめられ、戸惑った経験があるのだとか。

日本で女性であることは、大変だ

日本から妹が訪ねてくる時に、女性誌を買ってきてもらった。

その雑誌を眺めていると、「美しいひざ」特集が組まれており、数々の美しい足、およびひざの写真が載っていた。「ひざ上のお肉を減らすエクササイズ」「ひざの形を良くする鍼治療」などの見出しを読みながら感じたのは、「いやはや、日本で女性であることは、大変だなあ」ということ。本当にため息が出たのだ。お腹は引っ込めて、胸は出して、天然に生えている毛を生まれつき生えていないかのようなふりをして、爪も理想の形とやらに近づけて。さらには顔色をファンデーションで整えて、膝まで気にしなくてはいけないとは! 思わず、正座文化の日本人らしく、ちょいと曲がった不格好な自分のひざをしげしげと眺めてしまった。

日本人女性失格、と言われてしまうかもしれないが、こんな記事に、自分の体をあるがままに愛せない理由を、今更もう一つ増やされたくない(そうでなくても、女性は自分の体をたやすく自己批判してしまうものなのだ!)。それに、いくら自分のひざが曲がっているように見えても、画像ソフトで修正されているかもしれないモデルのひざと比べて落ち込むのは馬鹿馬鹿しい。そんなことより大切なものがあると思いたい。

米国でも美容は大きな市場だ。ダイエット薬は処方箋が必要なものから、インターネットで買えるかなり怪しいものまで、そろって売れ行きは良いようだ。歯並びや歯の白さに対するこだわりは日本人の比ではないし、脂肪吸引や豊胸手術の人気も上がりっ放しだと聞く。女性誌もダイエット特集ばかり。ただし、米国の女性誌は日本ほど細やかな内容ではないし、「これこそが美しい身体です」などと標準化されていることは非常に稀だと思う。人種、体型、髪の質などがあまりに多様なために、これが絶対の美の条件だ、とは宣言しにくいのだろう。