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グルメ・トラベル

カレー…ではない インドの「味噌汁」は魂の味 世界魂食紀行

2014/2/16

遠い異国の地にいる時、ふと懐かしくなる料理がある。その国の料理がどんなに珍しくておいしくても、心の奥で欲してしまう故郷の味。ひとくち口にすれば体が喜び、心が落ち着き、自分のルーツを実感するまさに「魂の食」。例えばそれが日本人の味噌汁のように、国の数だけあるに違いない。さあ出かけよう、ソウルフード巡礼の旅「世界魂食(こんしょく)紀行」へ。

ある時、ふと思った。日本人にとってソウルフードが味噌汁だとしたら、世界中の人にとってのそれは、どんな食べ物なのだろう。

外務省のWebサイトによると、現在、日本を含め世界には195の国があるそうだが、それぞれの国が独自の文化や歴史を持ち、気候だって全然違う。そうした情報が凝縮されているのが、食なのかもしれない。ということで今回、日本で暮らす外国の方に「こんな質問」をしてみることにした。

「あなたの国のソウルフードは何ですか?」

■発端は「2000年問題」、インド人が集結したのは西葛西だった

さてまずはインド編。インドといえば、カレー。多くの人がそう思い浮かべるのではないだろうか。ならば、インドのソウルフードってやっぱりカレーなのか……。

これは確かめねばならないと、東京の東端、江戸川区の西葛西駅に降り立った。実はこの西葛西には、約2500人のインド人が住んでいるという。法務省の統計によると、日本にいるインド国籍の外国人登録者数は2万1653人(2012年末現在)だから、1割以上がこの街で暮らしていることになる。インド人学校やヒンドゥー教寺院まで建ち、コミュニティーが形成されている「リトルインディア」なら、きっとソウルフードにも出会えるはず。そう思って訪れたのである。

ジャグモハン・S・チャンドラニさんは、インド東部にあるコルカタ(カルカッタ)の出身

見る限りではよくある日本の住宅街だった。インド料理屋が軒を連ね、カレーの匂いが立ち込めているのでは、と想像していただけに少々不安を覚えながら歩き出す。すると、スーパーマーケットの前でベビーカーを押す黄緑色のサリーを着た女性を発見。すっかり街に溶け込んでいるではないか。

「西葛西にインド人が住むようになったのは1999年からです。コンピューターの誤作動が危惧された、いわゆる『2000年問題』の対策のために、IT(情報技術)国家として注目され始めていたインドの技術者たちが、日本企業に雇われて続々と来日したんです。彼らは会社員ですから、平日の昼間はあまり見かけないかもしれませんね」

そう教えてくれたのは、西葛西でインド料理店を営むジャグモハン・S・チャンドラニさん。1979年からこの街に住むチャンドラニさんが、彼らの住居を世話するうちに、人が人を呼んでインド人が集まるようになったのだという。

「今でこそファミリーも増えましたが、当時は単身で働きに来ている人間ばかりでした。仕事が忙しい彼らは料理を作る暇もありません。でも、疲れた時ほど食べたいのが母国の味。私は紅茶などの輸入販売を本業にしていますが、彼らが日本にいても家庭料理を食べられるようにと店を始めたんです」(チャンドラニさん)

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