短時間で手軽に遊べるのがソーシャルゲームの魅力だが、それだけでは、長期間にわたってハマらないだろう。多くの人が引き付けられる理由は、ゲームの設計思想にあるようだ。

ソーシャルゲームは、そのソーシャル性が面白さのキモですが、初心者がいきなりほかのプレーヤーと交流するのはハードルが高い。ある程度は一人でも進めるようになってくると、プレーヤー同士が補完しあうなど、双方向で楽しめる要素が出てくる。つまり、ゲームの面白さが段階的に変わってくるところがソーシャルゲームの魅力です。しかも、エンディングやゲームオーバーがなく、長く遊べるようにできている。

ソーシャル性にも様々ある

ソーシャル性といっても、ほかの人との直接的なコミュニケーションばかりではありません。ゲームのなかには、他のプレーヤーの状況を教えてくれるものがありますが、これは「将来はこんなすごいことができるんだ」という“気づき”になり、「もっと頑張ろう」という気にさせてくれます。一人遊びであっても、ほかの人の状況を感じられることは、ソーシャルゲームの重要なポイントですね。

また、ゴールやエンディングがないため、目標となる指針はかなり細かく設定されています。複数のタスクリストなど、達成可能な目標を常に提示することで、ユーザーのモチベーションを上げていきます。しかも、複数の目標から自分で選んで進めることから、“やらされている感”なく、ゲーム本来の目的に近づいていけるのです。

一方で、ゴールやエンディングがないために、ゲームのストーリー性は感じられない。

ソーシャルゲームは、ストーリー性を前面に出さないですね。1000万人以上をターゲットとし、いろんな遊び方を許容しているソーシャルゲームにあって、複雑なストーリーやゲームシステムは、逆に邪魔なんです。例えば1カ月ぐらいゲームから離れると、ゲームの進行方法や状況が分からなくなるような作りだと、ゲームへ戻りにくくなってしまいます。だから、ゲーム内の各要素を単発で設計し、色々と遊んでいると、結果的にゲーム全体から見て進んでいるようになっています。