篠田・板野がAKB卒業 変動する女子アイドル勢力図
日経エンタテインメント!
年々注目度が増しているAKB48グループの「総選挙」が象徴するように、今や競い合うことが日常的になっている女子アイドル界。現在、勢いのあるグループはどこなのだろうか。
各グループの今の実力を、CDセールスとライブ動員から整理したのが下の図(セールス、ライブ動員ともデータは6月20日時点のもの)。これを見ると、アイドル界の頂点には変わらずAKB48が君臨していることが分かる。シングル『RIVER』で初のオリコン週間1位を獲得した2009年から4年が経過したが、勢いは衰える様子がない。
2013年5月にリリースした新曲『さよならクロール』は12作連続となるミリオンセラー。発売2週目には販売累計約187万枚となって、『真夏のSounds good!』で記録したこれまでの自己最高記録182万枚を抜いた。ライブの規模も拡大の一途をたどり、ライブと選抜総選挙開票発表の2部構成で行われた6月8日の「AKB48スーパーフェスティバル」では日産スタジアムに約7万人を動員。さらに、夏には5カ所11公演のドームツアーを実施した。
AKB48の姉妹グループも勢いがある。SKE48は50万枚以上のシングルセールスを安定的に記録。2013年4月には日本ガイシホールでのコンサートを2日間で計3回行い、合わせて2万4000人を動員した。さらにSKE48、NMB48、HKT48はそれぞれ、4月に日本武道館でも単独公演を開催している。なかでもHKT48は、3月のメジャーデビューから1カ月と7日での武道館公演で、女性グループでは最短記録となった。
ももクロは初のチャート1位
AKB48公式ライバルの乃木坂46も、2ndシングル以降は4作連続で週間売上1位を獲得。2月に幕張メッセで行ったCDデビュー1周年ライブには9000人を動員した。
他陣営では、2012年末に『紅白歌合戦』出場という目標を達成した、ももいろクローバーZがコンサート動員を急速に拡大。2010年末、1300人を集めた初ワンマンから2年半後の2013年8月には、日産スタジアムでコンサートを行った。2013年4月にリリースした2ndアルバム『5TH DIMENSION』は初の週間チャート1位を獲得して、初動売り上げ枚数は18万枚を超えた。
老舗のハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)勢も好調だ。モーニング娘。は鞘師里保・工藤遥など、9~12期オーディションで加入した若いメンバーが新しいファン層をつかみ、2013年にリリースしたシングルは2枚連続で1位を獲得。Berryz工房、℃-uteも、初の日本武道館単独コンサートが決まった。
武道館公演は2012年末に東京女子流、2013年6月にはSUPER☆GiRLSも実現。他にも動員、セールスを伸ばすグループは多い。
世代交代が勢力図にも影響
この女子アイドルのしのぎ合いは、さらに激しくなりそうだ。
理由のひとつは、新しいグループのメジャーデビューが今も相次いでいること。下の表は、2012年から2013年5月までにメジャーデビューし、オリコン100位以内に入ったグループをまとめたもの。デビュー即ブレークして、既に初週25万枚前後を売り上げる乃木坂46とHKT48の2組が頭ひとつ抜け出ているが、じわじわとこれを追いかけるグループもある。
「エビ中」こと私立恵比寿中学は、2013年1月発売の3rdシングル『梅』で初めてベスト3入り。3月には4000人規模のライブも完売しており、伸びる余地は大きそう。SUPER☆GiRLSの妹分として生まれたCheeky Paradeも、2013年1月にメジャーデビューして以来、2作連続でシングルがベスト5入りした。6月以降もメジャーデビュー組は続く。
もうひとつの要因は、主力メンバーの卒業など、世代交代の時期にあるグループが多いこと。
結成から8年となるAKB48は、2012年夏の前田敦子に続き、今年は板野友美、篠田麻里子が卒業した。姉妹グループのSKE48も、5月に秦佐和子・小木曽汐莉らを含む9人の正規メンバーがグループを去った。
ハロプロでは、モーニング娘。の田中れいなが、2013年5月の武道館公演を最後に卒業したことで、2000年台前半から在籍する20歳代のメンバーは道重さゆみを残すのみとなった。
キャリアの長い人気メンバーが抜けた穴を、若手が埋められるか。次世代メンバーの成長具合によっては、アイドル界の勢力図が変わっていく可能性もある。
(ライター 高倉文紀)
[日経エンタテインメント!2013年8月号の記事を基に再構成]
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