東京23区から見える富士山、ベスト10は

2013/1/1

東京ふしぎ探検隊

東京ゲートブリッジとダイヤモンド富士。公園は広くしかも丘になっているので、多くの人が詰めかけても余裕がある。田代さん撮影

空気が乾燥する冬場は、富士山を見るのにいい季節だ。東京23区内で富士山が見えるおすすめの場所はどこか。「富士見研究」の第一人者、筑波大学付属高校教諭の田代博さんに、ベスト10を選んでもらった。雄大な橋や鉄道、高層ビルなど、大都市東京ならではの眺望が上位に並んだ。

ゲートブリッジと海面の間に富士山

田代さんは「『富士見』の謎」(祥伝社)、「世界の『富士山』」(新日本出版社)などの著書がある「富士見」のスペシャリスト。富士山を見ることに情熱を傾け、富士見写真の膨大なアーカイブを持っている。今回はその中から誰でも入れるスポット10カ所を選定し、「あえて」順位を付けていただいた。

1位は江東区にある若洲海浜公園。2012年2月に開通した東京ゲートブリッジのたもとにある広大な公園だ。「恐竜橋」との愛称があるゲートブリッジと海面との間に、富士山がすっぽり収まって見える。

田代さんの一押しは夕暮れ時。なかでも「ダイヤモンド富士」がすばらしいという。

ダイヤモンド富士とは、富士山の山頂に太陽が重なった時に起こる自然現象で、太陽がダイヤモンドのように光り輝く。富士山の西側では日の出、東側では日没時に見える。富士山を中心に一定の範囲内に限られた現象ではあるが、東京23区では多くの場所で見ることができる。田代さんによると、「今回選んだ10カ所はすべてダイヤモンド富士が見える場所」。ちなみに若洲海浜公園では2月中旬にチャンスが訪れる。

ゲートブリッジと富士山。ゲートブリッジ上からの眺めもいい。田代さん撮影

実際に訪れてみた。2カ所ある駐車場のうち、キャンプ場側に車をとめ、ゲートブリッジを目指して歩く。橋の上にのぼるエレベーターを通り過ぎ、橋をくぐってさらに歩くと、富士山がだんだん橋と重なっていく。

広い公園の南端に近い場所が、富士見にはベストポジションとなる。駐車場からはかなり歩くことになるが、晴れた日は気持ちがいい。ただ海辺でもあり冬場は風が強くて寒いので、防寒対策を忘れずに。

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羽田の国際線ターミナルで朝焼けの富士