「こっちの部屋、いいなあ」

各部屋は調光器で明るさの調節が可能。アクティブケアの部屋に入居した中村絵里さんは「慣れれば、明るさを抑えても平気になる」

これらの効果を、旧寮からアクティブケアの部屋に移って数週間という看護師の中村絵里さんに聞いた。「入居前は頭痛に悩まされていて、外出時の頭痛薬はお守りとして手放せなかった。でも今は薬を飲むことは減ったし、忘れても不安じゃなくなった」。

防音と、風呂・トイレが共同でなくなったことによるストレス減がまず大きいようだが、インテリアの効果もじわじわと実感しているとのこと。

従来インテリアの部屋に入った友達が遊びに来ると、「こっちの部屋、いいなあ。落ち着いて、あったかい感じがする」とよく言われるそうだ。

看護師寮にアクティブケアを導入した効果については、アンケートを実施。その結果は辰元氏が現在解析中だ。

中村さんの部屋。従来インテリアの部屋の友達から羨ましがられることもしばしば

逆に言えば、効果がはっきりとは分からない段階で、大学病院の新築施設によくこんな試みをできたものだとも思ったが、院内の安全委員会でなじみとなった看護部長に辰元氏が話を持ちかけたら、ことはかなりスムーズに進んだという。

看護師寮は2棟目も新築予定で、そちらでも半数の居室をアクティブケアとすることが決まっている。

尾田氏がインテリアプランニングに関わる特別養護老人ホームなどの老人福祉施設でも、照明に調光器を採用し、昼は明るく、夕方から夜にかけて徐々に暗くしていくことで、入居者の生活リズムを整えるケアを実践しているという。

「間接照明なんて、トレンディドラマ(死語?)に出てくるようなぜいたく品だろう」と筆者同様に思っていた諸兄は少なくないかもしれない。だが近い将来、「光の処方箋」が有力な診療ツールとして定着している可能性はありそうだ。

(日経メディカル 石垣恒一)

[日経メディカル Online 2014年3月24日掲載記事を基に再構成]

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