「あなたのパートナーは男性ですか? 女性ですか?」米国NPの診察日記 緒方さやか

2013/8/27
米国の医療機関などで働きながら、出産・育児を経験した著者が、仕事・出産・子育て・文化の違いなど、さまざまな切り口で、米国社会とそこで働く女性の現状を紹介。読めばリアルな米国が見えてきます。さて、今回取り上げるテーマは、同性カップルの結婚について。米国では大学でも、同性愛について議論する場が設けられているのだとか。

ニューヨーク州では2011年に、同性カップルの結婚を認める州法が州議会を通過した。

同性婚を認めるアメリカ合衆国で6つ目の州だ。ある友人は、1歳になる息子と合法化のニュースが見ながら、「これで、大きくなっても、愛し合った人と結婚できるんだよ」と息子に語りかけ、泣いてしまったそうだ。

米国の大学では、同性愛についての討論会が行われる

大学院時代の同級生、Cさんの結婚式

現在の職場に10人いるプライマリケア部門の医師とナースプラクティショナー(NP)のうち、3人(男性2人、女性1人)は長年の同性のパートナーがいて、パーティーや結婚式などに連れ添って来る。ニューヨークだけでなく、ボストンのタフツ大学に通学していた頃から、私にとってLGBT(Lesbian、Gay、Bisexual、Transgenderの略)は比較的身近な存在だった。

学生寮の2人部屋に住んでいる時、隣の部屋に住んでいるAさんが、入学して数カ月経った頃に「自分は今ボーイフレンド、ガールフレンドはいないけれど、どちらもいたことがある」とにっこりと認めた。ところが同室のBさんが「バイセクシュアルの子と一緒に住みたくない」と部屋替えを申し立て、険悪な仲になり、Bさんの新しい部屋が決まるまでの数週間、代わる代わる私たちの部屋に逃げ込んできたこともあった。

また、タフツ大学では、新入生向けのディスカッションシリーズの一環で、LGBTクラブの主催による「様々な愛の形を考える」という討論会も開かれていた。一学年上の男子学生が、小さい頃自分が男性に恋をしたと気がついた時のことや、初めて好きな人と体の関係を持った時のことなどについてオープンに語ってくれたのだが、聞く方の新入生は皆落ち着かないようで、もじもじしていた。「生まれついて同性に惹かれる人もいる」ということを、私はこれらの体験を通して学んでいった。