「泣ける」と評価が高い『トイレの神様』。この曲は歌詞を先に書いて、そこにメロディーを乗せた。だが、曲作りの手法は決めていないと言う。

楽曲の作り方は様々です。ボイスレコーダーを毎日持ち歩いているので、思い浮かんだメロディーを鼻歌で吹き込むところから作るパターンもあれば、忘年会で見かけたよくしゃべるおばちゃんの様子を「100メートル離れても届きそうな爆弾級の笑い」「韓流ドラマの話でいつまでもしゃべり続ける」などとメールを打つフリをしながら携帯電話にメモしたところから始まることもある(笑)。もちろん、自宅でノートを開いて歌詞を書くこともあります。

今作は自分のルーツや思い出をさらけ出すことがテーマ。小学校3年生のときから、自分が大人になり死別するまで、祖母との長期間の思い出を歌った『トイレの神様』はまず、当時の出来事を書き出すところから始まったという。

まずは日記のような感覚で、思い出を淡々とつづって、歌詞というよりは作文を書きました。祖母との思い出をすべて文字にしたので、全部で3500文字くらいありましたね。歌詞としては明らかに長かったので、これ以上削ったらストーリーとして成り立たないところまで減らしたら、現在の約700文字の歌詞になりました。

メロディーはその後に、歌詞がいかに引き立つかを考えて作りました。特に「トイレには/それはそれはキレイな女神さまがいるんやで/だから毎日キレイにしたら/女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで」というサビは、一緒に暮らした12年間で一番印象的な祖母の言葉だったので、何回もリフレインさせたかったんです。

これまでも実体験を基に歌にしていたが、家族の話が歌として成立するとは思っていなかった。この曲がヒットしたことに一番驚いたのは本人だった。

歌詞が完成したときに、100%実話の個人的な話を歌った楽曲を、アルバムに入れていいのかな? とすら思いました。最初は「この曲を聴いても、誰にも共感してもらえないだろうな」と思っていたんです。