待機児童になったら 保育ママ、実家…あらゆる選択肢を
保育ママに預けた場合でも、認可の選考で「加点」してもらえる
A 保育ママ(家庭的保育事業、東京都では家庭福祉員)は、個人の家庭の中で主に3歳未満児を預かる制度です。保育士等の有資格者や研修を受けた保育者が自宅を開放して保育をしています。保育者1人に付き3人までの子どもを見るのが原則で、補助者が1人付けば5人まで見ることができるという決まりになっています。
確かに個人の保育ですので、保育の専門性に差があったり、保育者の体調不良やケガにより、突然、保育を休まれてしまうリスクもあります。しかし、家庭的な環境での保育で低年齢児にはむしろ良かったという感想も少なからず聞いています。保育料は認可保育園よりも安い場合もあります。
申し込み方法や入園決定方法などは自治体によって違いますが、保育ママに直接申し込むところも多いので、預けたい人はなるべく早く問い合せた方が良いでしょう。なお、保育ママに預けた場合も、認可保育園の入園選考で「加点」がもらえるので、優先順位を上げることができます。
A 法律上は育児休業を延長することも可能です。それでは困るという人は、何とかして預け先を探さなくてはなりません。以下の案を参考に、自分にとって最善の方法を探ってみてください。
職場近くの保育施設や実家に頼るなど、全ての選択肢を検討する
1.職場までの経路で預けられるところを探す
子連れ通勤になってしまいますが、途中駅で下車して預けたり、思い切って勤務先の近くの施設に預ける方法もあります。認可保育園では、住んでいる自治体以外の保育園に預けようとしても優先順位が極端に低くなってしまいますが、認証保育所等の場合は、認可ほど厳しい制約はないようです。地域によっては、4~5月なら認証保育所はまだ空いているというところもありますので、広範囲に探してみてください。
2.助成を受けていない認可外にもあたる
ベビーホテルなど、助成金を受けていない保育施設にも質の良いところはあります。ただし、利用者の払うお金だけで運営されているため、あまりに保育料が安いところは、どのように運営されているのか心配です。保育内容をしっかり確認する必要があります。
3.実家に頼る
認可に入れるまで実家を頼ったという人もいます。ただし、祖父母といえども、毎日、0~1歳児の保育をするのはかなり負担が大きく、「これ以上見られない」と途中でギブアップされてしまった話も時々聞こえてきます。祖父母に頼るのであれば、ファミリー・サポート・センターやベビーシッターの力も借りて、祖父母への負担が重くなり過ぎないように配慮する必要があるかもしれません。
また、認可保育園への入園を待機している間、「祖父母が保育できている」ということが入園選考で減点理由になる場合もあるので、注意が必要です。その場合は、祖父母が継続して保育できない理由(就労予定がある、健康を害している、保護者の送迎に無理があり続けられない)を明らかにする必要があるでしょう。
この人に聞きました
出版社在職中に2回の育児休暇を取り2人の子どもを保育園に預けて働く。1993年より、「保育園を考える親の会」代表。保育、仕事と子育ての両立の分野の執筆・講演活動を行うほか、国や自治体の保育・子ども施策に関わる委員会等の委員も務めている。著書に『共働き子育て入門 』(集英社新書)、『保育園のちから 』(PHP研究所)、『はじめての保育園 』(保育園を考える親の会編、主婦と生活社)、『はじめての小学校&学童保育』(保育園を考える親の会編、学陽書房)ほか多数。
[日経DUAL2014年1月29日掲載記事を基に再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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