一方、2011年3月の東日本大震災以降に高まった節電の必要性から、ビジネスインクジェットプリンターの注目度も上がっている。インクジェット機は、消費電力がページプリンターの約10分の1と低い。同分野に力を入れるエプソンによると、急激に出荷が伸びたわけではないが認知度は確実に上がり、選択肢の一つとして検討されるようになったという(図2)。

図2 省電力で高速なビジネス仕様のインクジェットプリンターを、適材適所で導入する例が増えている。セイコーエプソンはコンパクト機からA3対応の複合機までラインアップを強化。A3複合機で実績豊富なブラザー工業は、3年間無償保証付きの上位モデルを追加している。独自のジェルジェット方式を採用するリコーは2012年1月、従来機に比べ大幅に小型化した新シリーズを投入した

このように製品のラインアップが増えると、製品を購入する際にどんな点をチェックしたらいいのか迷ってしまう。製品選びのポイントを解説しよう(図3)。

図3 製品選びの主なポイントを挙げた。印刷速度やコスト、対応用紙サイズなどに加え、使い勝手や省エネ性能などもチェックするとよい

使い方によって重視すべき「速度」は違う

印刷性能としては、まず速度を考えたい。カタログなどに表記される「ppm」(ページ/分)を参考にするが、これは2枚目以降の定常的な出力の速さを示すことに気を付けよう(図4)。

図4 カタログに表記されることが多い「ppm」は、連続印刷が始まってからの1分当たりの印刷可能枚数。起動時のウオームアップや、最初の1枚目にかかるファーストプリントの時間も確認しよう

大量部数を連続して印刷する用途には「ppm」の値が大きい製品に軍配が上がるが、1部ずつなど小部数の印刷を繰り返す場合は、「ファーストプリント」や「ウオームアップ」の時間が短い方が快適だ。特にウオームアップが遅いと、節電(スリープ)状態からの復帰に時間がかかり、作業効率が悪くなる。

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低価格機は印刷コストや耐久年数に注意
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