聞き上手になり、信頼される人になる方法

2011/11/21

職場の知恵

あなたは、自分の話を“きちんと聴いてくれる人”をどう思いますか。きっと好感を持つ人が多いはずです。相手の話をしっかり聴けば、家庭でも、職場でも人間関係は好転します。「聞き上手」になるコツをプロに聞きました

「最後まで話を聞いてくれる」「気持ちをくんでくれる」「途中で話の腰を折らない」「とても優しくて根気強く話を聞いてくれる」――これらの声はすべて、「コミュニケーションが取りやすい人はどんな人か?」を聞いた日経WOMANの読者アンケートの回答。コミュニケーションにおいて「話を聴いてくれる人」が、好感を持たれるのは間違いなさそう。

「私の前職はヘアスタイリストでした。その際、顧客がたくさん付いている人と、そうでない人の違いを観察したんです。すると、人気のヘアスタイリストは、間違いなくお客さんの話を聴くことがうまい人でした。人は皆、話を聴いてもらうことを望んでいるんだと気付いたんです」と話すのは、24時間電話相談を受けるサービス「聞き上手倶楽部」代表の菊本裕三さん。

誰かに話を聴いてもらうと、心が元気になり、いろいろなことがうまくいくように感じるそう。「ですから、聞き上手になれば、仕事でもプライベートでもあらゆる人間関係を円滑にすることができるはずなんです」(菊本さん)。

話しベタなら聴く力を磨こう

ただ今回のアンケートでは、すでに「聴くのが得意」と答えた読者が51.3%にも達していた。これについては、「聞き上手と自己申告する人でも、結構間違った『聞き方』をしていることがあります」と菊本さん。

「例えば、相手の話に反論したり、話をまとめたり、アドバイスしたり、これらは全部、聞き方としては誤りです。本当の聞き上手は、相手の話したい内容を見抜き、上手に引き出す『話させ上手』なのです。聞き上手になるには技術だけでなく、センスも問われるんです」。

菊本さんは話し方を磨くよりも、聞き方を磨くほうが簡単とも付け加える。「話しベタだと思うなら、『聞き方』を磨くのをオススメします」。以下の聞き上手になるためのヒントを参考にして、あなたも聞き上手を目指してみよう。

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~聞き上手を目指す人の最低限の心得~

相手に興味・関心を持つ
【Point! 表情・視線・声調に注意】
どんな言葉をかけたのかより、どんな態度で聴いたのか、のほうが相手の印象に残る

【Point!相手をホッとさせる雰囲気づくりを】
この人と話をするとなぜか気持ちが落ち着く、楽しいと思ってもらう

聞き上手になる第一歩は、まず相手の話に興味を持つこと。「あなたの話に関心がありますよ、という気持ちになるんです。話し手は、聞き手が『どんな言葉をかけてくれたか』より『どんな態度で聞いてくれたか』のほうが印象に残るんです」(菊本さん)

自分は聴いているつもりでも、興味がないことには、「へぇ~」と上の空で相づちを打っていない? それでは聞き上手とはいえない。意識を相手に集中させて、「どうして、そうなったのかな?」「なぜそう思ったのだろう?」と思いを巡らせれば、質問も浮かんでくる。真剣に話を聴く姿勢からは、「この人に話すとホッとする」「認められた」「楽しい」と相手に思ってもらう効果もあるのだ。