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いまどき転職事情 「ワーキングマザー売り手市場」が到来

リクルートエグゼクティブエージェント 森本千賀子

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NIKKEI STYLE

昨今、ワーママが働きやすい制度を整える企業が増えています。それでも、ワーママが「居づらい」と感じる会社、ワーママが能力を十分に発揮できない会社がまだまだ多いのも事実です。では、今の職場で行き詰まったワーママは、「転職」によって状況を打開することはできるのでしょうか。

第一子出産直後、営業マネジャーとして転職に成功した女性も

転職エージェントとしては、ここ最近、ワーママを積極採用する企業が増えていることを皆さんにお伝えしたいと思います。

企業側の狙いは、社内にロールモデルを作ること。

「若い女性社員が『ここは出産後も第一線で働き、キャリアを積み上げていける会社なんだ』と安心して頑張れるように、ワーママのロールモデルを社内に置きたい」

これは、あるウェブマーケティング会社の男性社長から実際に私が相談されたことです。

その会社のスタッフは約半数が20代女性。しかも、キャリア志向を持つ人ばかりでした。そんな女性スタッフが1人、また1人と結婚し、2013年、会社設立後初めて産休を取得する女性が現れました。その女性が、産休明けの仕事に対する不安を口にしたのを聞き、社長は「今後、こういう女性スタッフが増えてくるはずだ。安心して職場復帰できるような環境を整えなくてはいけない」と考えたのです。その第一歩が「ワーママのロールモデル」の採用でした。

結果、第一子を出産したばかりの30代後半の女性が採用されました。大手ネット企業で営業や事業企画を経験した後、産休中に転職を検討していました。「時短勤務で復帰しても、大企業だと責任ある仕事を担うのは難しくなるだろう」と考えた彼女は「企業規模は小さくても、経営に近いポジションで働ける場所を探したい」と転職を決意。そのウェブマーケティング会社に営業責任者として迎えられました。

こうしたケースは珍しいように思えますが、最近、同様のニーズは増えています。特に、歴史の浅いベンチャー企業では若い女性が活躍しているケースが多く、彼女たちにとって「ロールモデル」となるワーママを外部から採用したいという声はよく聞かれます。

別の事例では、40代の女性がロールモデルとして採用されました。その女性(Kさん)は大手広告代理店で営業や海外関連業務に携わり、出産後もワーキングマザーとしてキャリアを積んでこられましたが、40代半ばを迎えたころに早期退職制度の適用対象となったのです。彼女は「今、ここでチャレンジしなければ後がない!」と転職を決意し、ご相談にいらっしゃいました。

Kさんと話しているうちに私の脳裏に浮かんだのが、販促マーケティング会社(A社)でした。A社は女性をターゲットとするビジネスを手掛けていたこともあり、社長は日頃から「女性を積極的に活用したい」「女性管理職を作りたい」と話していました。その時、A社は人材を募集していなかったのですが、社長に「Kさんと会ってみてほしい」と依頼したところ、面談が実現しました。

未経験の仕事でもいい。働くママのロールモデルになってほしい

Kさんを高く評価した社長は「ぜひ入社してほしい」と、採用後のポジションを検討。Kさんのキャリアを踏まえると、営業や販促部門のマネジャーが妥当かと思われましたが、社長は意外なポジションを提案しました。それは「人事部長」でした。給与計算や労務管理といった実務を行うスタッフはほかにいましたが、社長はKさんに「社内の象徴的存在になってほしい」と依頼したのです。「人事部長がワーママなら、これから入社してくる女性も安心してキャリア構築を目指せるはず」というのが社長の考えでした。

「人事職」も「部長職」も経験のないKさんは戸惑い、「自信がない」と尻込みしました。しかし、最終的に入社を決意したのは、「私のような苦労やストレスを負う女性が少しでも減るように」との願いからでした。広告代理店勤務時代、ワーママの存在が受け入れられにくい環境で、さまざまな障壁と闘ってきたKさん。その経験をベースに、女性が働きやすい制度、環境整備に取り組みたいと考えたのです。

ワーママとして苦労した経験を生かし、ベンチャー企業で制度整備を担う

実際、Kさんが入社後に提案したさまざまな制度や施策は次々と実現されました。例えば、プライベートの時間の充実を図るための「ノー残業デー」の設置、産休から復帰後も以前と同様のグレードの仕事ができる体制整備、働くママをサポートする制度の設置などです。結果、A社では社員の定着率がアップし、優秀な女性の採用にもつながりました。そしてKさんは女性社員が安心して相談できる「メンター」的存在となりました。

このように、若い女性社員のロールモデルとなるワーママを採用したいというニーズは、着実に増加しています。ワーママにとって、これまでのキャリアを生かすのはもちろん、「ワーママ」であることを価値として生かすチャンスでもあるのです。

一方、働くママならではの視点をビジネスに生かす道もあります。もともと、衣食住に関わる商品や子ども向け商品は主婦や母親の視点が重宝され、関連業界では女性も多く活躍してきました。しかし、「ワーママの視点」を求める分野はさらに広がっているようです。

カフェ、家事用品など、幅広い業界が「ワーママの視点」を求めている

乳児を持つ30代後半の女性が、異業界からカフェ業界に転職したケースがあります。その女性は、それまで、電機メーカー、ホテル、コンサルティングファームなどでキャリアを積んできたのですが、新しいカフェの立ち上げにあたり、コンセプトワークやメニュー開発などを任されました。平日の利用客としてママ層を取り込みたいという狙い、また「ロハス」をコンセプトとしていたこともあり、食の安全・安心への感度が高いママの視点が求められたのです。

このほかにも、働くママの増加に伴い「家事の時短化」のニーズが高まっています。調理器具や掃除用具など、家事に関連する日用品などの分野で、ワーママの活躍が期待されています。彼女たちの力を活用し、これまでにない価値を持つ新商品を生み出そうというのです。実際に商品企画などのポジションでの採用事例もあります。

ただし、企業からのニーズが高まるとともに、転職するママたちにも、私たち転職アドバイザーにも、「確実に成果を生まなければならない」という強いプレッシャーがかかっているのも事実です。ここはお互いに慎重に取り組んでいく必要もあります。とは言え、これまでの自分のキャリアに、「ワーママ」としての経験を加えることで、新たなキャリアの道が拓ける可能性は確実にあります。ぜひ、うまく組み合わせて活用していただきたいと思います。

森本千賀子
リクルートエグゼクティブエージェント・エグゼクティブコンサルタント。1993年、現リクルートキャリアに入社。1年目から営業トップセールスウーマンとして社内外で有名な転職エージェントに。2010年4月、リクルートエグゼクティブエージェント参画。著書に『No.1営業ウーマンの「朝3時起き」でトリプルハッピーに生きる本』『本気になれば人生が変わる! HONKI SWITCH ON』『メンターBOOKS 女性管理職のFAQ』『1000人の経営者に信頼される人の仕事の習慣』、『本気の転職パーフェクトガイド―トップコンサルタントが教える』など

(構成 青木典子)

[日経DUAL2014年1月8日掲載]

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