厄介な巨大ファイルの受け渡し、クラウドでメール要らず
賢い無料クラウド活用術(2)
サイズの大きいファイルをメールで送るのは大きな苦労を伴う。大容量の添付ファイルはサーバーに拒否されることが多いからだ。そんな苦労も、クラウドを使って解決してしまおう。
具体的には、クラウドストレージ上のファイルを「共有」する(図1)。これで、相手は共有ファイルを自分のパソコンにダウンロードできる。
ここでのポイントは、ファイルの受け手がクラウドサービスに登録していなくても、受け渡しができること。受信する側にしてみれば、1つのファイルを受け取るためだけに、アカウント登録を行うのは煩わしい。セキュリティがそうシビアでないファイルなら、手間なく受け渡せる方法がベターだ。
リンク相手は送信サインインを不要に
では、米マイクロソフトのスカイドライブでファイルを受け渡す方法を具体的に見ていこう。
送り手はまずスカイドライブにサインインする。次に共有したいファイルを選択し、ツールバーの「共有」をクリック(図2)。この時点で、指定ファイルにアクセスするためのURLが作られる。続く画面で、このリンクを相手にメールで送るように設定する。
ここでのポイントは、「アクセスする全員にサインインを求める」のチェックを外すこと。これで、先ほど述べたように受け手側の手間を省ける(図3)。
なお、「SkyDrive」フォルダーでファイルを右クリックして「SkyDrive」↓「共有」を選ぶと、図3のページを直接開ける。
共有相手は、受信したメールのリンクをクリックして、スカイドライブ上の共有ファイルにアクセスする(図4)。このときはスカイドライブへのサインインが求められない。つまり、相手側がマイクロソフトアカウントを持っていなくても、共有ファイルを操作できるわけだ。ダウンロードはもちろん、ファイルの種類によってはWebブラウザー上で内容確認もできる。
右クリックで共有リンク、送信側まで登録不要のものも
米ドロップボックスが提供するサービスでの手順も見ておこう。「Dropbox」フォルダー内のファイルを右クリックして、「Dropboxリンクを共有」を選ぶ方法が簡単だ(図5)。このファイルを開くためのURLがコピーされるので、メール本文に貼り付けて共有相手に送信する。
相手が受信したメールのリンクをクリックすると、共有ファイルを操作するページが表示され、ファイルをダウンロードできる(図6)。この場合も共有相手はドロップボックスのアカウントを持っていなくてもかまわない。
クラウドサービスの中には、送り手側までアカウント登録なしでOKのファイル転送専門サービスもある(図7、図8)。ファイルを保管できる期間が限定されるが、送信側、受信側ともに登録不要なので手軽に使える。
[日経PC21特別編集『無料クラウド 賢く使う!』を基に再構成]
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