【年代別興行収入トップ10】 あの時代のレジェンドはこう受け継がれた

100年近い歴史を持つハリウッド。1960年代以降、10年ごとのヒット作から、現代への系譜を分析する。1960年代のランキング1位は、『サウンド・オブ・ミュージック』で、6位『メリーポピンズ』、8位『マイ・フェア・レディ』と、ミュージカル映画の名作3本がトップ10入り。2位『101匹わんちゃん』、3位『ジャングル・ブック』とディズニーアニメも2本入り、60年代はファミリー映画の全盛時代だった。

ミュージカルもアニメも、家族で楽しめるため、いつの時代もヒットが見込みやすい。その系譜は、ディズニーが2013年、歴代22位に食い込む大ヒットをさせたミュージカルアニメ『アナと雪の女王』(日本公開中)につながる。

ミュージカル映画とディズニーアニメのほか、60年代後半からブームとなったのは「アメリカン・ニューシネマ」だ。黒人差別撤廃に向けた公民権運動が起きたり、ベトナム戦争が始まったことで、これまでの社会体制に疑問を投げかけ、反体制的な人物を主人公とした『卒業』『明日に向って撃て!』が大ヒット

続く1970年代の1位は『スター・ウォーズ エピソードIV』、2位は『ジョーズ』。前者が公開当時33歳のジョージ・ルーカス、後者が27歳のスティーブン・スピルバーグという、歴史的ヒットメーカーの若き日の作品だ。

年を取らないSFキャラクターや動物をモチーフにした特撮作品がヒットすれば、世代を超えて長く楽しんでもらえる。ディズニーは、ジョージ・ルーカスが生んだ『スター・ウォーズ』の新シリーズを計画中だ。2015~19年に『エピソードVII』以降を予定。エピソードI~IIIでは、旧3部作の世代と、その子どもの世代を含む親子2世代を観客として取り込んだ。次なるVII~IXは親子3世代を対象にでき、空前の大型ファミリー映画になるだろう。

『スター・ウォーズ』『ジョーズ』や、オカルトホラー『エクソシスト』、学園ミュージカル『グリース』など、若者層を狙った娯楽作品が受ける。また詐欺師2人の復讐劇を描く『スティング』や、マフィア一家のきずなを描く『ゴッドファーザー』が大ヒット
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