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「少年ジャンプ」が男子向け作品を強化する狙い 日経エンタテインメント!

2013/5/20

 300万部近い発行部数を誇る漫画誌「週刊少年ジャンプ」が今、転換期を迎えている。新たな方向性として打ち出しているのは「脱バトル」と「男子向け作品の強化」。連載作品の傾向から見えてきた「少年ジャンプ」の強さの秘密を解説する。

 日本で一番売れているマンガ雑誌「週刊少年ジャンプ」(以下、「ジャンプ」)。モンスター連載『ONE PIECE』を筆頭に強力な連載陣を抱え、アニメ化作品も多数。嗜好が多様化したこの時代に毎週300万部近く発行している驚異の媒体だ。

(日経エンタテインメント!)

 一方で、『ONE PIECE』『NARUTO』『BLEACH』といった看板連載は安定した人気があるものの、いずれも連載開始から10年以上が過ぎ「これらに続くビッグヒットが出ていない」と懸念する声が長くあった。その声を吹き飛ばすべく、現在の「ジャンプ」は変化しつつある。2011~2012年の間に連載スタートした『暗殺教室』『ハイキュー!!』『ニセコイ』と新作の存在感が増してきているのだ。

■バトル系人気作品が持つ構造的欠陥

安定的な人気を獲得する「少年ジャンプ」(注:図中のレーダーチャートは掲載作品を、「バトル・アクション」「スポーツ」「人間ドラマ」「ギャグ・コメディー」「オタク」「不良・ギャンブル」の最も当てはまるものにジャンル分けし、算出した指数を基にプロットしたもの)

 現在の新鋭作品の方向性としてまず挙げられるのが、「脱バトル」だ。「ジャンプ」は長年、『ドラゴンボール』『北斗の拳』など、バトル系が引っ張ってきた。バトルの中で描かれる、友情・努力・勝利。これがジャンプの黄金パターンであり、「王道」と呼ばれてきた。しかし、王道バトルには、人気作となり連載が長期化するにつれ、「強さのインフレ」という弊害が起こる構造的欠陥がある。これは物語をより盛り上げるため、敵味方ともに青天井で強さが上昇する現象で、現在の看板作品にもその傾向は色濃い。

 また、『ONE PIECE』、不定期連載の『HUNTER×HUNTER』も含め、「ジャンプ」はバトル系の層が厚い。その中で、同じジャンルを描いても埋没してしまう。現在、新たなジャンプの看板と期待されている『暗殺教室』は、バトル要素はあるものの、それ一辺倒ではなく、むしろ学園コメディーに重きを置いている。さらに、『ハイキュー!!』はここ数年の「ジャンプ」で手薄だった地に足のついた熱血スポ根、『ニセコイ』はラブコメで、バトルに頼らない作品が強くプッシュされている。

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