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新作公開 「ONE PIECE」の魅力に迫る

前作の興収48億円を超えられるか

日経エンタテインメント!

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NIKKEI STYLE

 「ONE PIECE(ワンピース)」といえば、今や日本を代表するエンターテインメントコンテンツ。その3年ぶりの長編映画「ONE PIECE FILM Z」が2012年12月15日に公開された。原作・総合プロデュースの尾田栄一郎を筆頭に、豪華スタッフ・キャストがそろった最新作の全貌に迫る。

日本で最も売れているエンターテインメント作品である「ONE PIECE」。麦わら帽子がトレードマークの少年、ルフィ率いる海賊団"麦わらの一味"が繰り広げる壮大な冒険の物語は、2012年8月3日に発売されたコミックス67巻が初版発行部数405万部で日本記録を更新するなど破格のヒットを続けている。

特に2009年公開の映画「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」は、シリーズ最高となる興行収入48億円を稼ぎ出し、当時のコミックス日本記録を塗り替える原動力となった作品。原作の尾田栄一郎が製作総指揮とストーリーを担当し、入場者プレゼントとして「ONE PIECE」のコミックス零巻をプレゼントするなどの展開でブームを巻き起こした。そして3年ぶりとなる今回の長編映画「ONE PIECE FILM Z」では、前作以上のヒットを狙う。

「実は『ONE PIECE』の映画は、最初の頃の勢いが徐々に落ち着いて(表1参照)、2009年の映画『STRONG WORLD』直前には、危機感を強めていた。そこで、尾田さんがストーリーを含めて全面的に映画作りに参加して、業界が驚く大ヒットを達成した。それは原作者の力を見せたと思うし、やっぱり『ONE PIECE』ファンは、尾田さんが作る物語を見たいと証明された」(東映アニメーション・清水慎治取締役)

その前作にあたる2008年の「ONE PIECE THE MOVIE エピソード・オブ・チョッパー+冬に咲く、奇跡の桜」は、日本アカデミー賞の優秀アニメ作品賞を受賞するなど評価はされたが、興行収入は前作並みにとどまった。「STRONG WORLD」でそれを48億円まで引き上げた大ヒットの立役者である尾田を、今回公開となった映画では総合プロデューサーに迎えて、豪華スタッフによる布陣を整えた。

豪華スタッフが意味するもの

「今回の映画は、『STRONG WORLD』の大ヒットを受けて、それを超えるためにはどうすればいいかが出発点。そのため、脚本は『ONE PIECE』の熱烈なファンでヒットメーカーの鈴木おさむさん、主題歌は海外の大物アーティストのアヴリル・ラヴィーンさん、声優には篠原涼子さんや香川照之さんなど人気実力ともに一流の俳優を起用。原作の尾田栄一郎さんと共に映画を作る上で必要だと思う最強の布陣になりました。製作費も前作より大きくなっています」(フジテレビ・種田義彦プロデューサー)

やはり「STRONG WORLD」のヒットを考えると、尾田の協力は必然だったようだ。一方で、連載している週刊「少年ジャンプ」としては、連載と並行して映画の作業をするため、毎号の原稿アップ直後の早朝に、映画スタッフが尾田の仕事場へ打ち合わせにいくなど、かなりの強行スケジュールでの進行になったそうだ。

「『少年ジャンプ』としては、尾田さんには週刊連載に集中してほしいのが本音ですが…。尾田さんは、鈴木おさむさんと長峯達也監督が面白いと考える『ONE PIECE』を存分に作ってくれればいいと思っています。ただ、映画スタッフの脚本打ち合わせなどで、"こんな時にルフィってなんて言うんだろう?"といった疑問が出たときには、尾田さんにしか答は出せないんです。そういう"『ONE PIECE』たらしめる"部分は尾田さんがやるしかないし、そこは妥協しない方なので、言い回しなども含めてかなり細かくチェックしています。今作の敵役であるゼットのキャラ作りをしているときに、尾田さん自らゼットを主役とした1本のストーリーを作ってしまった。すごく面白くて原作サイドとしては、正直ここで使うのはもったいないと思ったほど(笑)。ただ、そういうところで出し惜しみせず、常に面白いことを追求していくんです」(集英社・服部ジャン=バディスト哲氏)

アニメ映画には有名監督などを起用するという意見もあったようだが、そこは「ONE PIECE」ならではの理由で消極的だ。

「まず『ONE PIECE』は、ストーリーが膨大で主要キャラクターも多い。その世界全体を理解しないと難しい。しかも尾田さんの修正や注文もすごく細かい(笑)。そうするとテレビシリーズの製作で経験を積んだスタッフじゃないと対応できない部分も多い」(清水氏)

尾田栄一郎のすごさとは?

2012年、フジテレビが製作した映画は、「テルマエ・ロマエ」「BRAVE HEARTS 海猿」「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」などヒット作が続いているが、「ONE PIECE FILM Z」は、それらを超えるヒットを目指すと鼻息も荒い。

テレビシリーズも公開前後に、映画につながるオリジナルストーリーを4話放映。2012年5月くらいから少し抑えてきたタイアップ広告の展開も、映画公開に合わせて10数社が一気にスタートした。さらに前売り券特典として、尾田の描くキャラクター設定画や原画を使ったアイテムを用意し、「STRONG WORLD」で好評だったコミックス零巻に続く入場者プレゼントは、今回は「海賊の宝袋」として全国200万人限定で実施。常に尾田栄一郎ファンに向けた展開を心がけた。

「総合プロデューサーとしてプロモーションのアイデアも出していただきましたが、尾田さんのすごさは、何をすればお客さんが喜ぶか分かっていて、そこに対してギリギリまで妥協しないところ。しかもスタッフや制作の事情も把握している。フジテレビは製作委員会として多くの映画を作っていますが、『ONE PIECE』チームほど他のメンバーと打ち合わせや会議を密にやる作品はありません。そのチーム『ONE PIECE』としての一体感も強さの秘密だと思います」(種田氏)

「ONE PIECE」のマンガ担当の経験がある集英社の服部氏は、尾田氏のすごさは、面白いと思うことへの貪欲さだと語る。

「打ち合わせは電話でするのですが、長い時にはトイレ休憩も入れつつ12時間ぐらいやったことがあります。少年マンガへの思い入れが強く、常に少年視点で楽しめるものを意識しています。現在は入社3年目の若い編集者が担当しているのですが、キャリアが浅い編集者の意見を、読者の代表として聞いてしっかり取り入れます。とにかく、面白いものを作って人を楽しませることを最大限に考えている方です」

映画の先に待つ"新世界"

「STRONG WORLD」で大きな広がりを持った「ONEPIECE」は、新作映画でさらなる飛躍をするのか?

「今回の映画も尾田さんが総合プロデューサーとしてかかわった作品なので、スタッフのプレッシャーは大きい。前作が公開されたときよりコミックスの部数も大きく伸びているし、前作の記録を抜くのが当然という空気の中で、どのぐらいいけるか? それは神のみぞ知るところです」(種田氏)

一方で映画の"次の一手"も、すでに動き出しているようだ。

「今回大ヒットしても、次の映画を作るのは今の体制では3年後ぐらいでしょう。『ONE PIECE』は、『サザエさん』や『ドラえもん』のように何十年も続く作品になりうる力がある。それには、映画の後の展開も重要。今より高いレベルで話題を提供し続けないといけないでしょう」(清水氏)

尾田栄一郎を中心とした"「ONE PIECE」一味"の航海は、まだまだ続いていく。

(ライター 久村竜二)

[日経エンタテインメント! 2012年12月号の記事を基に再構成]

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