1泊1万円から「クルーズ旅」で、大海原を満喫
2013年働き女子の夏休み
お得な料金で、圧倒的な非日常感を味わえる
クルーズの魅力といえば、まずは圧倒的な非日常感が挙げられます。客室からエレベーターに乗り、数分で、360度大海原の甲板に到着します。時間とともに、刻一刻と変わりゆく景色を眺める開放感はほかでは味わえないでしょう。
また、目的地に着くまでの時間をゆっくり過ごせます。船内にはプールやジャグジー、スポーツジムなどが完備されており、移動の間はスポーツを楽しめます。また、シアターや劇場などでは、映画やショー、音楽の生演奏などが毎晩開催されます。
食事も楽しみの一つです。朝・昼・夕・夜食と、クルーズでは1日4食が基本。本格的なコース料理を提供するメインレストランやビュッフェレストランなどから、その日の気分で選んで利用できます。
驚くのが、これら施設の利用や食事は、すべてクルーズ料金に含まれること(お酒や一部の有料レストランは除く)。これも人気の理由でしょう。船に乗ったら、もうお財布の心配をすることなく、自分の気の向くまま時間を過ごすことができます。
飛行機や列車と違い、客室でベッドに横になったまま移動ができること、寄港地では重たい荷物は船の中へ置き、身軽に観光が楽しめるなどの利点もあります。
現在、日本発着を行っている外国船は、カジュアル船とプレミアム船。気になる料金は、だいたい1泊あたり、カジュアル船で1万円から、プレミアム船で1万5000円から。宿泊、移動、食事、アクティビティもすべて込みでこの金額、思ったよりもリーズナブルだと思いませんか? 期間は1週間前後が多く、10万円を切るツアーも発売されています。
外国船クルーズの注意点は? 日本発着でもパスポートは必要
魅力的なクルーズですが、いくつか注意もあります。まず、忘れ物は厳禁。船内で入手できるものは限られるので、船に乗る前に持ち物の準備は怠らないようにしましょう。
そして海上は携帯の電波が届きにくく、外との連絡が取りにくいことはあらかじめ覚悟しましょう。昨今は、Wi-Fiを完備するクルーズ船が多いですが、衛星回線となるため、遅いうえに接続料金も割高です。海上にいる間は、日常から解き放たれてのんびりするのが得策です。
また、外国船は日本国内の輸送が法律上できないため、必ず外国に寄港します。日本発着クルーズといってもパスポートは必要になりますのでご注意ください。さらに、クルーズ代金とは別途、港湾などの諸税やチップが数万円必要となります。ツアーで販売している場合には、これらが含まれているケースもありますので、比較、検討する際には忘れず確認をしましょう。
2013年夏・おすすめのクルーズ船
2013年8月~9月にかけて、2つのカジュアル船が日本発着クルーズ(もしくは日本発、日本着)を実施します。お好みに応じて申し込んでみてはいかがでしょう? [注]
◇ クルーズデビューにおすすめ 「コスタ ビクトリア」日本発着クルーズ
2013年のゴールデンウィークに、クルーズプラネットとエイチ・アイ・エスがチャーターし、話題となったイタリア船のコスタ ビクトリア。7万5000トンと手頃なサイズの船で、夏も8航海を実施します。
食事は日本人向けにアレンジ。朝食に和食が準備され、麺類を無料で提供するコーナーが設けられるなど、うれしい配慮もあります。船内には旅行会社の日本人スタッフが多くいるため、外国船といえども言葉の心配は不要。グループや家族連れも多く気軽な雰囲気なので、クルーズデビューにはおススメです。
【 おすすめコース1 】
2013年8月18日(日)~24日(土) 横浜発着Aコース(7日間) 9万9800円~39万円
2013年8月18日(日)~22日(木) 横浜発長崎着Bコース(5日間) 7万9800円~36万9000円
※いずれも別途諸税、チップが必要
5日間から乗船できるのでお休みが短い方も気軽に参加しやすいコース。名古屋、釜山、長崎に寄港。名古屋から19日に乗船することも可能です。
【 おすすめコース2 】
2013年8月24日(土)~9月1日(日) 横浜発着(9日間)12万9000円~51万9000円
※別途諸税、チップが必要
横浜発着で、青森、小樽、コルサコフ(サハリン:ロシア)、釧路に寄港。途中世界自然遺産である知床半島クルーズも含まれる人気コース。土曜日の夕方発で、翌日曜日の朝に下船というスケジュールで、9日間でも参加しやすいコースです。
【 おすすめコース3 】
2013年9月1日(日)~9月7日(土) 横浜発着 Aコース(7日間) 9万9800円~39万円
2013年9月1日(日)~9月4日(水) 横浜港発境港着 Bコース(4日間) 5万9800円~34万9000円
※いずれも別途諸税、チップが必要
9月に休暇が取れるなら、横浜発着で釜山(韓国)、境港、鳥羽に寄港する7日間のコースが、式年遷宮にあたる出雲大社、伊勢神宮の二つを一度にお参りでき、女性には人気です。基本的に各コースは1週間前後の行程ですが、区間乗船も可能なコースもあります。最短4日から参加可能なので、長いお休みが取れない人でも諦めず、チャレンジしてみてはいかがでしょう?
◇ ボイジャー・オブ・ザ・シーズ 日本発(日本着)片道クルーズ
ボイジャー・オブ・ザ・シーズ 2013年9月 日本寄港クルーズ
夏休みを9月に取る予定という方には、米国船会社が運航するボイジャー・オブ・ザ・シーズがおすすめです。アジア最大級の13万トンの船は、施設のダイナミックさがウリ。甲板にはロッククライミングやパターゴルフ、ローラースケート場といった娯楽施設があり、アクティブなクルーズ時間を過ごせます。また、アイススケート場ではプロスケーターによる華麗なショーを開催。船内にある4層吹き抜けのプロムナードにはショップやカフェが並びヨーロッパの街のような雰囲気が漂います。
映画配給会社ドリームワークス社と提携しているため、「シュレック」や「カンフーパンダ」などのキャラクターがパレードを行うなどエンターテイメントも好評。コースは日本発、もしくは日本着の片道になりますが、飛行機や現地移動がセットになった日本発着パッケージツアーも発売されています。
【 おすすめコース 】
東京発着 富山・室蘭・天津プラン8日間(往路:飛行機、復路:クルーズ)※リンク先はPDFです
2013年9月7日(土)~15日(土) 東京発着、船上6泊、北京ホテル1泊(8日間) 14万320円から
(クルーズ代、航空券、北京ホテル宿泊、バス移動、諸税、チップなどすべて込み。羽田空港発の場合)
羽田空港(もしくは成田空港)から飛行機で北京へ。北京のホテルへ1泊後、バスで天津へ移動し(観光付き)、中国の天津で乗船後、富山、室蘭を寄港し東京湾に到着します。すべての行程がパッケージになっているので安心して参加できます。
なお、ボイジャー・オブ・ザ・シーズは、9月7日に中国の天津を出航後、伏木富山、室蘭、東京、長崎、韓国・プサンに寄港します。クルーズのみの販売は、4日間のコースから区間乗船ができます。
ただし、日本発、もしくは日本着となるため、片道については航空券の手配が別途必要になります。詳細はこちらをご覧ください。
夜は船でゆっくり過ごし、昼間は寄港地で観光を楽しむ――クルーズなら、そんな優雅な旅を実現できます。これまでの旅行と少し趣向を変えたいなら、リーズナブルな予算で参加できるクルーズを選択肢に入れてみてください。
(ライター 村田和子)
この人に聞きました
旅行ジャーナリスト。総合旅行業務取扱管理者(国家資格)。各種媒体で、女性目線、旅行者視点の情報提供を行うほか、旅行サイトや宿のコンサルティング、講演活動なども行う。公式ブログ:http://kazukomurata.seesaa.net/
[nikkei WOMAN Online 2013年6月28日掲載]
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