ハマりキャラづくりに成功した若手の例として、「常にテンションの高いキャラ」の桐谷健太と、「かわいい弟キャラ」で認知された佐藤健を挙げる。「桐谷さんは、実は顔は二枚目なのに三枚目役を極めた。『お調子者のワル』『お気楽な天然キャラ』といった切り替えも利くし、黙らせてみるなど汎用性もある。佐藤さんは、『Fit's』のCMや、『Q10』のような学園ドラマで見せる線の細いかわいい弟キャラが定着しました」。イメージ確立段階での人気急上昇俳優では、「20代で神秘性と妖艶さを醸し出せる男優としては彼がダントツ」と綾野剛を挙げる。

ハマりキャラが決まれば、それを崩していくのが第2段階。「佐藤さんは、2011年1月期のドラマ『冬のサクラ』で草なぎ剛さんの弟役で脇固めに徹し、ベテランの役者とも渡り合えることを見せつけてくれましたね」。

チュートリアル徳井義実や、阿部サダヲが元暴走族を演じる『莫逆家族 バクギャクファミーリア』。仲間(玉山鉄二ほか)と理不尽な現代社会問題に対峙(たいじ)する。映画は2012年2月公開(東映配給)(C)2011「莫逆家族」製作委員会

チュートリアル徳井義実を単独主演に、阿部サダヲらが出演する、ヤンキー映画『莫逆家族 バクギャクファミーリア』(2012年2月公開)は、そんな“裏切り”でキャスティングした。「徳井さんは、普段のソフトでノリのいいお笑い芸人という印象を封じ、けんかが圧倒的に強い粗削りな男を演じています。男性ファンが増えると思う」。そして、「よくしゃべるお調子者」の役柄が多い阿部サダヲは「寡黙で何もしない」役に決めた。「面白キャラの阿部さんが何かしでかすのだろう、というのはお客さんも想像の範囲。それを超えるには、普段の役柄と“真逆”にするのが効果的です」と、おおず氏は言う。

(ライター 平山ゆりの)

[日経エンタテインメント!2011年5月号の記事を基に再構成]

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