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職場の知恵

迫るバレンタインデー 手作り届けたいなら配慮も

2014/1/20

手作りのチョコレートをもらうのは少し重い。誰がどういうふうに作ったかよくわからないものは食べたくない――。そんな「手作りは苦手」という人がじわり増えているようだ。いつの時代も贈り物は難しいもの。手作り品とそれに込めた思いを、どうしたら相手に喜んでもらえるか。今どきの事情を追った。

横浜市に住むA子さん(31)は、近所の友人がふるまうホームパーティーの誘いが苦痛だ。友人の和食やイタリアンはとても華やか。だけど「味が強めであまり好みではないし、ネイルをしてる手で魚をさばいたと思うと食べたくない」。4~6人が集まる会で手をつけないのはいつも自分だけで気まずい。2回に1回は断り、参加した時は「おなかがいっぱいで」「旦那と食べる約束してるから」と言い訳に追われる。

■「なんとなく嫌」

母から「よその家でご飯を食べないで。中身が心配だし、お礼に気を使うから」と言われて育った。学校給食もすし店も他人が手を使って作るが大丈夫だったので、潔癖性というわけでもない。

「さほど深い人間関係でもない相手から、中途半端な手作り品をもらうのが嫌なのか」。そう気付いてからは、友人へのプレゼント選びにも慎重になってしまった。料理作りも絵を描くのも好きだが、誰かに贈ろうという気にはなれない。

面と向かっては言いにくいが、手作り品が苦手という人は少なくない。調査会社のマイボイスコム(東京・千代田)が「手作りのおにぎりを食べますか」と2012年に聞いたところ、自分を含む家族が作ったもの以外は食べない人が4割を超え、市販品しか食べない人も5%に達した。理由は衛生面の不安だけではなく「なんとなく抵抗がある」という回答が目立つ。手作りの良さは認める一方で、この「なんとなく」の壁を越えるのが難しい。

料理教室を全国展開するベターホーム協会(東京・渋谷)。12年までに、和洋菓子やパン作りのコースを対象に、各受講者が1人分の生地作りから仕上げまで担当する方式に変更した。例えば以前は数人が共同で直径22センチメートルのタルトを作って切り分けていたが、今はそれぞれが同12~14センチメートルのタルトを作る。他人任せにせず手順をより理解するための変更だが「他人が手で直接こねたものを食べるのは嫌だ」との声にも配慮したという。

「子育て世代は食品の成分表示やアレルギーにも敏感。手作り菓子を贈るときには『こんな材料を使って作ったの』と一言添え、ラッピングにも気を配るなどすれば、無用な心理的なハードルは下げられるはず」。教師陣は助言する。せっかくの好意が伝わるよう、贈り手の配慮も求められそうだ。

■脱・直球勝負

手作りのシルバーアクセサリーは一手間かけたプレゼントとしても人気がある(ユザワヤ津田沼店)

食べ物以外ではどうか。手芸用品大手のユザワヤ商事(東京・大田)では近年、天然石やレザーなどの素材を自由に組み合わせできるブレスレットやシルバーアクセサリーの簡単キットや講習会の人気が高まっている。いずれもユニセックスな雰囲気で「重すぎない手作り」として、友人らに贈るケースも多いという。

「『あなたのために作りました感』が出すぎないように、プレゼントする時は色や大きさを気にする」。津田沼店(千葉県習志野市)のシルバーアクセ講習会に通う福島仁美さん(55)は話す。「昔、手作りマフラーをあげたことがある。重たかったかも」と笑う福島さん。今は「それ、あなたが自分で作ったの?」「私にも作って」と言われてから初めて、相手に合うものを考える。

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