2013/6/14

――2人のお子さんを育てながら、英国からスペインへの転勤を決断したのは、あなたにとって挑戦だったのでは。

日本とスペイン交流400年を記念して発表したプロジェクト「ロエベ アンド ジュンヤ・ワタナベ コム・デ・ギャルソン」。デザイナー渡辺淳弥氏と組んだ

「結婚が遅かったので子どもはまだ9歳と6歳です。キャリアと家族生活のバランスをとりながらCEOになることは、確かに一つの挑戦でした。でも、いつでも自分を頼りにしてくれる存在がいるのは、気分がよいものです。仕事は家に持ち帰らないのが私のルール。どこにいっても最低限、ブラックベリーとiPad(アイパッド)で家族と連絡を取れるようにしています。東京では、いま日本のスター、今井翼さんと一緒にいるよ、と写真を送りました」

「私がキャリアと家族生活の両立を当たり前のように続けているのは、ビジネスウーマンだった母の影響が大きい。私の同世代の親としては珍しくキャリアウーマンでパワフル。私には子どものころから常に家にメンターがいた。ロールモデルはだれかといわれれば、間違いなく母ですね」

「もちろん、夫の理解も大きい。ロエベから声がかかったとき、夫は仕事をやめて、スペインに一緒についてきてくれた。とても理解のあるよい夫なのです」

――よき母であり、妻であり、有能なビジネスウーマンであり続ける。大変だと思ったことはありませんか。

強い女性をイメージしたというロエベの「アマソナ」

「写真映りに気を配らねばならないのは、女性役員にとってちょっとやっかいな問題だと思いますが、こうあらねばならない、というステレオタイプのイメージにプレッシャーを感じたことはありません。女性たちに伝えたいのは自分を大事にすること、今やっていることに100%の力を注ぐこと。何よりも仕事を楽しむこと。私自身、仕事が好きで、家族を愛しているからこそ、両方のバランスをとることができるのだと思います。よく食べ、よく眠り、よく生活を楽しむのも忘れずに」

「ロエベの代表的なバッグ『アマソナ』は女性の強さをイメージして作られました。1975年生まれだから30代後半、つまり今がまさに働き盛りの商品。スペインの多くの女性がアマソナをファーストバッグとして購入しています。日本でいう『ごほうび』のように、自分を褒めたり、応援したりするため、ブランド品を買うのは、世界中の女性に共通しているようですね。実は私もそんな買い物をします。よく靴を買うのです。これも生活の楽しみの一つですよね」

(聞き手は女性面副編集長 松本和佳)