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朝・夕刊の「W」

男職場でタフに咲く 「紅一点」が開く突破口

2013/6/15

「男性と同様に」 上司に直訴

1年目、女性だからと深夜勤務をさせない上司に、男性同様に扱うよう直訴。以来、男性と同じ仕事をこなしてきた。資源開発の会社では「砂漠や海上など厳しい環境にも耐えられるタフさ」(人事ユニットの中村寛ジェネラルマネージャー)が求められる。

乗務員室の安全確認をする東京メトロ半蔵門線の運転士・藤牧素江さん(押上駅)

入社後に3度出産。その間、同僚男性が厳しい現場で成長していると思うと焦り、限られた時間内に集中して仕事の質を高めることを心がけた。会社もそのがんばりを認め、女性の採用拡大につながっていった。

フロントランナーが男社会の常識を切り開き、性差の意識が氷解する。最近、技術系で採用される新入社員のうち1~3人は女性。08年に入社した松井真理さん(31)は、女性だからと現場で軽んじられることはない上「海外では丁寧に接してくれ、ラッキーかな」。

営業スタイルの「常識」覆す

アサヒビールで担当部長を務める鈴木秀子さん(45)はビール営業の常識を覆した先駆者だ。1991年の入社当時は顧客から、「女をよこすなんて」と愚痴られた。男性の同僚は夜の付き合いで顧客と距離を縮め、重要店舗を任される。「悔しい思いをした」

昼間に何ができるかをとことん考えた。卸の営業に同行して、卸と顧客の両方から情報を収集。関係を築いた飲食店には仕込みが始まる昼ごろ訪問し、メニューを提案した。工夫を凝らして実績を積み上げる姿に、男性も夜の付き合い一辺倒の営業に疑問を持ち出す。今は部長として、新たな営業スタイルを広げる。

「前方よし」。制帽を目深にかぶり、東京メトロ半蔵門線の運転士、藤牧素江さん(28)は押上駅のホームできびきびと安全確認をする。東京メトロを運営する東京地下鉄では、女性運転士は8人しかいない。

「仕事に男女の差はない」が、女性ならではの感性が業務に生かされている。運転時、揺れが予想される場所では、スピードをやや落とすことを心がける。同期の女性運転士の妊娠がきっかけだった。電車にはさまざまな事情を抱えた人がいる。「皆が心地よく乗れるように」。男性運転士からも「サービスの向上につながるね」と共感を得た。

男性主体の日本企業。女性の踏ん張りが、染みついた慣習を見直すきっかけになっている。

(宇野沢晋一郎、相模真記)

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