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朝・夕刊の「W」

男職場でタフに咲く 「紅一点」が開く突破口

2013/6/15

化学プラント、石油ガス田、電車の運転士……。男性主体の職場で、女性の存在感が増している。体力的にも精神面でもタフな“紅一点”が、硬直化していた男社会の意識を変え始めた。
化学プラントを動かす昭和電工川崎事業所の石川治子さん(右)と柏原春菜さん(川崎市)

大型トラックやローリー車が土煙を巻き上げながら行き交う。川崎市の埋め立て地にある昭和電工川崎事業所。巨大な化学プラントとは不釣り合いな小柄な2人の女性が、運転管理に携わっている。

力仕事や深夜パトロールも

柏原春菜さん(21)と石川治子さん(22)は入社4、5年目の運転員。プラントの安全運転を監視する。土日も年末年始もなく、「6勤2休」の生活が続く。

事業所の440人の運転員のうち女性は9人だけ。バルブの開閉など力が必要な仕事もあれば深夜に1人でパトロールもする。

同事業所は2008年から女性運転員を採用。数百万円をかけてトイレや更衣室を新設し、バルブ開閉の補助具も作った。なぜ、投資してまで女性が必要だったのか。

「今後、ますます優秀な運転員の確保が厳しくなる」と川崎事業所総務部はいう。工場へ人材を輩出してきた工業高校が減少。運転員の高齢化が進み、大量退職への不安が生じた。目を付けたのが、成績は良くても就職先が限られていた女性の存在だ。

柏原さんは熊本県、石川さんは宮城県の工業高校出身。ともに工場勤務を希望したが地元では採用してくれる工場がほとんどなく、川崎までやってきた。

行き詰った現場を変える

少数でも女性の存在は職場を変えた。たとえばボロボロのファイルに雑然とまとめられていたデータを色別に整頓したのは、同僚女性の発案だ。「細かい監視業務なら負けない」と石川さん。2人の上司の豊増康昭課長は「男職場をわざわざ選ぶだけに、仕事への意識が違う」と評価する。

資源開発現場を支える国際石油開発帝石の大竹真由さん(奥中央、東京都港区)

男性の意識も変わった。かつて体にたたき込んだ仕事を、「システム化して後輩が納得できる説明をするようになった」(総務部)。

工場などで働く女性の実情に詳しい早稲田大学ビジネススクールの遠藤功教授は、「非正規社員の増加や成果主義の普及で行き詰まっている現場の働き方を変えるには、女性目線の工夫が突破口になる」という。

巨大なドリルで地中を切り裂く資源開発現場も、男性職場の典型だ。世界中で資源を探査する国内最大の開発会社、国際石油開発帝石。現在750人の技術者を擁するが、女性はわずか15人しかいない。

大竹真由さん(39)は99年に旧帝国石油に入社した、女性進出の先駆けだ。大学で石油工学を学んだが、女性技術職を採用する開発会社は帝石だけ。採掘現場のトイレは男女共用、着替えは倉庫でする環境だったが動じなかった。

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