出産後も働き続けるための処方箋 中村紀子氏に聞く日本女性エグゼクティブ協会代表

業務代行者に報いる制度が必要

――女性が休んだり復帰したりした職場は「みなで協力してうまくやれ」となりがちだ。

「そういうあいまいに穴埋めするやり方が一番悪い例だ。『この忙しいときになぜ私が』と現場の士気が落ちるし、職場復帰した女性も肩身が狭くなる」

「例えば短時間勤務で復帰した女性には、責任ある仕事を任せる機会を少しずつ増やす。ただし急な早退・欠席に備え、いつが期限のどんな業務を抱えているかを必ず職場で共有しておく。業務を代行した社員には働きに報いる制度が必要。報酬を与えてもいいし、人事で評価してもいい」

――働く女性側も変わらなければならない。

「日本女性エグゼクティブ協会を通じて管理職女性たちと情報交換するうち、働く女性が成功するための『8カ条』ができた。中でも重要なのは『目の前の仕事にベストを尽くす』『職場の協調関係を築け』5年先、10年先を見越していま何をすべきか、『人生の布石を打つ』の3つだ」

若い世代の不安払しょくへ行政も意識変えて

――制度に頼って権利を主張するだけでは長続きしない。

「具体的に言うと、出産後も仕事を続けたいなら、職場の上司や同僚にその姿勢を示した方がいい。人によってやり方はいろいろあるだろうが、例えば1日6時間勤務で復帰した場合、週5日のうち1日は家族やベビーシッターの助けを借りてフルタイムで働いてみる。夕方の追い込み時で皆が忙しい時間帯を一緒に過ごせば、理解も得やすい」

――政府の少子化対策はすでに生まれた子どもに力点が置かれてきた。

「若い世代に広がる『仕事と育児の両立は大変そう』という不安を取り除く施策が必要だ。企業、働く女性だけでなく、行政も意識を変えなければ、この問題は解決しない」

(聞き手は女性面編集長 阿部奈美)

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