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ウナギ界の救世主? 「ビカーラ種」を食べてみた

2013/4/30

水揚げされたビカーラ種。養殖手法は試行錯誤を繰り返しており、成魚に育つ比率はニホンウナギの半分ほどにとどまっている

 4月中旬、春の「土用の丑(うし)」に合わせ、ある大手スーパーの食品売り場に見慣れない商品が登場した。東南アジアに生息する「ビカーラ種」と呼ばれるウナギを原料にしたかば焼き製品だ。資源枯渇が懸念され、高騰しているニホンウナギのピンチヒッターとして、ウナギ市場の縮小に歯止めをかける切り札と期待されている。

■ビカーラ種は1尾980円! 国産の半額以下

 ビカーラ種の最大の特徴は1尾980円という価格にある。日本で主に食べられているニホンウナギは流通の99%以上が養殖物で、近年、養殖に使う稚魚(シラスウナギ)の不漁が続く。その結果、2011年末ごろから価格が高騰し、あっという間に数年前の2倍まで跳ね上がってしまった。

 昨年はウナギ専門店やスーパーのかば焼き製品の値上げが相次ぎ、国産ニホンウナギのかば焼き店頭価格は1尾2千円前後からという相場が定着している。この高値で売れ行きは急減。スーパー向けのかば焼きを出荷する加工業者によると「前年比で売り上げ半減はざら、中には9割減という取引先もあった」。

 昨年の国内市場規模は、ピークだった2000年の3割以下に縮小したといわれる。そんなところへ登場したのがビカーラ種だ。

■フィリピンやインドネシアに生息 資源にはまだ余裕

 世界には18種類のウナギがいる。ニホンウナギのほか、スーパーなどの中国産かば焼きの原料には、同国で養殖したヨーロッパウナギも使われる。姿、味ともニホンウナギに近いが、資源の状態は芳しくない。

 昨年は北米やアフリカなどからも天然の外国産が輸入されたが、見た目を含めてニホンウナギとは異質で脂も少なく、その場しのぎの意味合いが強かった。

 一方、フィリピンやインドネシアに生息するビカーラ種は資源に比較的余裕があり、稚魚の相場はニホンウナギの10分の1以下。これを育てて1尾千円以下で売ろうというわけで、日本や中国の企業が養殖に着手した。

 稚魚の仕入れ値を考えれば店頭価格はさらに安くできそうだが、現段階では養殖手法が確立されていないため、歩留まりが低い。ニホンウナギなら1キロの稚魚から1トンの成魚が育つのに対し「ビカーラ種は死んでしまうものも多く、育つのは250~300キロ程度」(ビカーラ種のかば焼き加工業者)。当面は1尾980円が限界のようだ。

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