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女性役員「最低でも50%」、豪経済団体BCA代表 Wの未来 世界が競う

2014/6/28

首相や英国女王の代理である総督に女性が就任するなど、女性の活躍が目立つオーストラリア。政界に続き、産業界でも女性登用が相次いでいる。3月には日本の経団連に相当するビジネス・カウンシル・オブ・オーストラリア(BCA)の会長に通信大手テルストラの会長などを歴任したキャサリン・リビングストン氏が就任し、話題を呼んだ。BCAでは同氏を支える代表も女性が務めており、両輪となって産業界の顔として活躍する。ジェニファー・ウエスタコットBCA代表に豪州の産業界における女性活用の取り組みについて聞いた。
2011年からビジネス・カウンシル・オブ・オーストラリア(BCA)の代表を務めるジェニファー・ウエスタコット氏

――BCAは経済団体として役員層への女性登用をどう推進していますか。

「豪州を代表する約100社の加盟企業に対し、10年で役員に占める女性比率を50%に引き上げる数値目標を達成するよう呼びかけている。オーストラリアでは高齢化が進んでおり、あらゆる人材を活用する必要がある。女性労働力もその一つで、女性活躍推進を経済政策の一環と位置づけている」

――加盟企業の反応はどうですか。

「国内総生産(GDP)の70%を占めるサービス産業では女性の活躍度が高い一方、資源企業では女性の従業員自体が比較的少ない。産業ごとに状況は異なるが、それでも女性の役員を増やすことに熱心でない最高経営責任者(CEO)は皆無といえる。なぜなら役員室における多様性の確保は、企業の生産性や競争力を向上させ、革新を生む土壌となるからだ」

――BCAは一定比率の女性登用を義務づける「クオータ制」の導入には反対の立場です。

「オーストラリアでは長年、クオータ制を巡って議論が行われてきた。我々は女性登用は実績に基づいて行われるべきだと考えており、女性役員の数を増やすことだけに焦点を当てるのは現実的ではないと考える。女性役員を増やすには、まず役員候補となる女性管理職の層の厚みを増す必要がある。そのために採用や配属、昇進、教育・訓練などあらゆる段階で、女性に対する『無意識の偏見』が社内にないかを見直し、必要があれば改善することが大事だ」

BCA会長に就任したキャサリン・リビングストン氏

――改革が実を結ぶまで時間がかかりませんか。

「BCAは女性の活躍がうまくいっている企業の事例を参考に、企業トップがどんな指導力を発揮すべきか、柔軟な働き方を実現する環境をどう整備すべきかといった行動指針を作成し、加盟企業の参考にしてもらっている。女性の昇進を妨げる目に見えない障壁がないか、社内風土を含めて見直してもらい、50%の目標達成を促したい」

――豪証券取引所上場200社の女性比率は2013年に15.8%にとどまっており、目標まで距離があります。

「まだまだ努力が必要だ。しかし、BCAに加盟する企業のCEOはグローバルな視野を持ち、企業が成長するために女性が幹部として意思決定に関わることの重要性を理解している。50%という目標は、人口の男女比を反映したものにすぎず、最低ラインと考える。女性が実力を発揮する環境が整えば、役員室の50%以上を女性が占めても全くおかしくはない」

(シドニー=高橋香織)

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