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定番チョコドーナツ対決 ミスド上回ったセブン

日経トレンディネット

2016/4/18

写真:渡辺慎一郎=スタジオキャスパー、以下同
日経トレンディネット

各コンビニが力を入れているドーナツ。人気の淹れたてコーヒーとも相性が良く、コンビニでちょっとしたカフェ気分が味わえる商品として注目されている。また、2016年1月にセブンイレブンがドーナツを全面リニューアルしたことも話題になった。果たしてセブンイレブンのドーナツはどう変わったのだろうか? そこで各コンビニのドーナツを食べ比べてみた。今回は定番のチョコオールドファッション編をお届けする。

■よく見るとサイズなどに違いがある

今回のコンビニ食品実食テストの対象は、ドーナツの定番であるチョコオールドファッション。各コンビニで味にどれだけ違いがあるのか、そして本当においしいのか。その疑問を解消すべく、味香り戦略研究所による味覚分析と、食のプロによる実食で、コンビニ大手3社のチョコオールドファッションをチェック。また、ドーナツ専門店と比べてどちらがおいしいのかも気になるところだ。そこで今回は、専門店のミスタードーナツも加えた4商品の味の傾向を明らかにしていこう。

実食するのは以下の4商品だ。

○セブンイレブン「チョコオールドファッション」(93円)
○ローソン「オールドファッション チョコ」(93円)
○ファミリーマート「オールドファッションドーナツ(チョコ)」(100円)
○ミスタードーナツ「チョコファッション」(140円)

セブンイレブンとローソンのドーナツは、レジ横の専用ケースで販売されている。工場で作られたドーナツを短時間で各店舗に納品し、このケースで温度・湿度を管理しておいしさをキープ。ファミリーマートは工場で製造後、個包装することで鮮度を保ち、パンや焼き菓子と同じコーナーで販売されている。一方、専門店のミスタードーナツは各店舗で調理している。

チョコオールドファッションは、サクサクとした食感が特徴のオールドファッションに、チョコレートをかけた人気ドーナツ。定番メニューのため各商品の仕様に大きな違いはないが、並べて見るとサイズが異なることに気が付いた。セブンイレブンが一番小さく、次いでミスタードーナツ。ミスタードーナツはコンビニの商品と比べて平らなのも特徴。ローソンは直径はそこまで大きくないが厚みがある。そしてファミリーマートは明らかに他社と比べて大きくボリューム感がある。

ローソンとファミリーマートは、ドーナツ表面にシュガーコーティングがされているのもポイント。ドーナツ全面ではなく上部にうっすらかかっていて、シャリッとした食感のアクセントとドーナツらしい甘さが期待できそうだ。

チョコレートに関してはローソンが一番色が濃く、ほかの商品は同程度の色合い。またチョコの量は、コンビニ3社がドーナツの半身にかかっているのに対し、ミスタードーナツは1/4程度と少ないように見える。とはいえ、ミスタードーナツは店内調理のため店舗や調理担当者によってチョコの量が変化する可能性があるかもしれない。

セブン-イレブン 「チョコオールドファッション」 オールドファッションドーナツに、スイートチョコレートをトッピング。外はサックリ、中はしっとりとした食感が楽しめる。税込み価格100円
ローソン 「オールドファッション チョコ」 外はサクサク、中はしっとりとした食感に仕上げたオールドファッション。シュガーコーティングでサクサク食感と甘味をプラスしている。税込み価格100円

ファミリーマート 「オールドファッションドーナツ(チョコ)」 サクッとした食感のケーキドーナツに、チョコレートをかけたオールドファッションドーナツ。シュガーコーティングも特徴。4商品で一番サイズが大きい。税込み価格108円
ミスタードーナツ 「チョコファッション」 ミルク風味の生地を使用。自然な甘さとサクサクとした食感が楽しめるクッキータイプのオールドファッションにチョコレートをかけている。税込み価格151円

シュガーコーティングの有無、チョコレートの色や量は、味にも影響があるのだろうか? そしてコンビニより専門店のドーナツのほうがおいしいのか? 味覚分析の結果とプロが実食した感想から、それぞれのチョコオールドファッションの特徴を見ていこう。

■セブンはあっさり、ローソンは味が濃いめ

各コンビニのチョコオールドファッションを、味香り戦略研究所の味覚センサーで分析した。その結果は棒グラフの通り。なお、分析はチョコレートを含めたドーナツ全体の結果となっている。

チョコオールドファッションの味覚分析結果 ミスタードーナツとローソンはしっかりとした味わい。ファミリーマートは苦味を抑え、セブン-イレブンは薄味傾向にある

ミスタードーナツは棒グラフが一番長いことから、コンビニ3社よりも全体的に味が強い傾向にあることが分かった。この味覚分析の結果について、同研究所の味覚参謀(フェロー)である菅慎太郎氏は、「チョコの苦味とドーナツの旨味、そして甘さと全体的に濃く、しっかりとした味わい。ドーナツ業界の王者だけある」と分析。

次に棒グラフが長いローソンについては、「コンビニの中でもっともミスタードーナツに近い味を実現している」(菅氏)と解説する。それぞれの味覚の数値もバランスがよく、専門店のおいしさを目指しているものと思われる。

ファミリーマートは苦味が少ないのが特徴。この結果について菅氏は、「チョコのビター(苦味)感は控えめに、ドーナツの旨味が強めの味。生地がおいしく感じる仕上がり」と話す。チョコレートよりも生地のおいしさを味わえるドーナツなのだろう。

棒グラフが一番短く、特に旨味の数値が低いセブンイレブンは、「苦味と甘味というチョコテイストのおいしさに特化している。ただ、生地の旨味が若干物足りない」(菅氏)と分析。チョコレートはしっかりとした味付けだが、もしかするとドーナツ自体は薄味なのかもしれない。

では、味の印象に大きく影響する苦味と甘味のバランスについて、下図でさらに詳しく見てみよう。

チョコオールドファッションの苦味と甘味の関係 ローソンは甘味も苦味も強く、ファミリーマートは苦味を抑えていることが鮮明になった

改めてローソンとミスタードーナツがしっかりした味わいであることが鮮明になったはず。そしてファミリーマートは苦味が少ないことも確認できた。セブンイレブンに関しては、チョコレートの味が大きく影響しているものと思われる。

これらの結果を頭に入れて、次ページからのプロの審査員による感想をチェックしてほしい。味覚分析の結果と審査員の感想から自分の好みに合ったチョコオールドファッションを選んでいただきたい。

■平岩氏~サクッとした食感のセブンイレブンが好み

平岩理緒氏 テレビや雑誌など数多くのメディアで活躍するスイーツジャーナリスト。スイーツ情報サイト「幸せのケーキ共和国」主宰。セミナーや企業の商品開発コンサルティングなども行う

1カ月に200種類以上のスイーツを食べ歩くというスイーツジャーナリストの平岩氏に実食をお願いした。どこのチョコオールドファッションか分からない状態で食べてもらい、どれがおいしかったのか、その順位を付けてもらうとともに各商品の感想をもらった。

○1位 セブンイレブン

平岩氏が1位に選んだのはセブンイレブンだった。決め手となったのは生地の食感で、セブンイレブンは「ほかと違ってサクッとした食感が強い」と話す。自身が「ソフトタイプよりサクッとしたオールドファッションが好み」であることも影響しているようだ。味についても「生地があまり甘くないので、チョコがかかっている部分も甘過ぎずバランスがいい」と高く評価した。チョコレートも「口どけがよく、カカオの余韻もある」とコメント。チョコレートは表面だけでなく裏のほうまでたっぷりかかっていることから、「チョコ好きも納得のチョコオールドファッション」と述べた。

○2位 ミスタードーナツ

2位に選んだミスタードーナツは「4商品の中でも一番ソフトな生地」で、自身の好みのオールドファッションではないものの、「全体のバランスがとてもいい」として高く評価。「表面はサックリした部分もあって、中のふんわりとした食感との対比が楽しめる」と話す。味についても「生地も甘過ぎないので、チョコレートとのバランスもいい」とコメント。ただ、チョコレートの量には納得のいかない点があったようで、「チョコ好きにはちょっと物足りないかも」と指摘した。

○3位 ローソン

「チョコレートがほかと違って、いい意味でココアっぽい」というローソンが3位に。「チョコがすうっととけて口の中でもたつかないので、ココアを飲んでいるような感覚」と話す。生地に関しても「砂糖をかけているけど甘過ぎるというわけではない」と好印象。「食感も外はサクッとしつつ、中はしっとりという感じがよく出ている」と高く評価するも、自身がサクサク食感のオールドファッションが好みであるため3位とした。

○4位 ファミリーマート

4位のファミリーマートは、「全体的に甘い印象を受けた」ことから順位を下げたようだ。「生地自体はあまり甘くないものが好きで、そこにチョコレートがかかっているという対比を楽しみたい」と話す。しかしながら「生地もチョコレートも口どけがとてもいいので、ソフトタイプが好きな人はコレ」ともコメントした。

○総評
「専門店が150円くらいなのに対して、コンビニのドーナツは100円でこのクオリティーはすごいと思う。特にケースで販売しているものは専門店に近いおいしさがあります。パッケージ(個包装)にしてしまうとどうしても蒸れるというか、しっとり感が出てしまうので、サクッとした食感が求められるオールドファッションはケース販売のほうが有利かな。とはいえ食感は好みの差でしかなく、人によるでしょう。逆に買ってきて翌日食べるのであれば、包装されているほうが変化が少ない可能性も。出来たて感は専門店のほうが感じられるかもしれませんが、コンビニのドーナツも時間が経っているような味ではなく普通においしいので、ミスドのドーナツが好きな人でも買う価値が十分にあると思います」

■あまい氏~コンビニドーナツは旬の味

あまいけいき氏 数多くのテレビや雑誌で活躍する人気スイーツブロガー。たべあるキングのメンバーとしても活躍し、様々なスイーツイベントのプロデュースも手掛ける。毎朝コンビニのスイーツを食べ、美味しい物・気になる物を厳選ピックアップした「コンビニ朝スイーツレポ」もTwitterとInstagramにて公開中

ドーナツ評論家としてメディアにも出演する人気スイーツブロガーのあまい氏に実食をお願いした。どこのチョコオールドファッションか分からない状態で食べてもらい、どれがおいしかったのか、その順位を付けてもらうとともに各商品の感想をもらった。

○1位 セブンイレブン

あまい氏が1位に選んだのはセブンイレブンだった。「ザクッとした食感がたまりません」と、まず生地の食感を絶賛した。続けて「生地とチョコレートの組み合わせが絶妙」とコメント。「生地は甘さ控えめで、チョコレートがかかった部分との味のコントラストがはっきりしていて、ひとつのドーナツで二度楽しめる」という。またチョコレートについては「口どけがよく、いいチョコレートを使っているように感じた」と話すも、「せっかくチョコオールドファッションなので、もう少しチョコレートがかかっているほうがうれしいかな」との感想も述べた。

○2位 ローソン

「生地のクオリティーが高い」と評価したローソンが2位に。「生地に少し塩気があるので、チョコの甘さが引き立つ」と、ドーナツ自体の工夫を高く評価した。加えて「シュガーグレーズドっぽいシャリシャリとした食感も好み」と、表面に砂糖がかかっている点にも注目。「オールドファッションといえばコレ」という王道の味に仕上げていると話す。1位ではない理由には、「シュガーグレーズドで少し甘くなっているので、チョコレート部分との対比が若干弱い」ことを挙げた。「1位と2位は僅差。例えばチョコを少しリッチにしたら順位は変わる」とも。

○3位 ファミリーマート

3位のファミリーマートは、「少し油っぽさが気になった」という。「ドーナツはカロリーが高いので油っぽいと罪悪感が増す(笑)」ともコメント。また、「ケーキに近い食感と口どけで、ソフトタイプとしてはよくできている」と話すも、自身がサクサクとした食感のオールドファッションが好みであるため順位を下げたようだ。しかしながら生地が軟らかいので、「生地とチョコの口どけのスピードが同じで、一体感が楽しめる点は◎」とのこと。

○4位 ミスタードーナツ

ミスタードーナツは「突出したものがない無難な仕上がり」として4位に。「生地のサクサク感は悪くないけど……」とコメント。チョコレートに関しても「質が高いわけでもなく、何よりチョコの量の少なさが不満」と、全体的に突出した良い部分が見いだせなかったという。味自体は「決してまずいわけはないのですが、あまり記憶に残らなかった」との感想を述べた。

○総評
「まさかこんなに食べているミスドを4位に選ぶとは自分でも驚きました。ミスドのチョコファッションは王道中の王道なので、たぶん長い間、味をほとんど変えていないはず。逆にコンビニのドーナツは最近できたもので、味も日々進化している。その最新の味覚に自分の舌が反応した結果だと思いますね。ケース販売のセブンとローソンは出来立て感もあったし、ファミマは個包装なのでソフトタイプにするといった工夫が見られました。ミスドも相変わらずの存在感はありましたが、旬の味付けではないというか、時代の変化に対応できていないというか。もちろんこの味が好きな人もたくさんいると思いますし、安心感のある変わらない味というのも大きな魅力です。でも僕は、最新の味覚に進化しているコンビニのドーナツのほうが好みでした」

(ライター 津田昌宏)

[日経トレンディネット 2016年3月24日付の記事を再構成]

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