広瀬すずさん 「ちはやふる」で競技かるたの世界知る
テレビやCMに引っ張りだこの17歳。人気漫画を原作に、競技かるたに青春をかける若者たちを描いた2部作の映画「ちはやふる」(1部公開中、2部は29日公開)で映画初主演を果たした。いちずに突き進むヒロインの千早役に挑んだ。
「不器用で内に『ちっちゃいおじさん』がいると思って演じた」と笑う。完全燃焼して競技を終えると、目を半開きにしながらぐっすり眠り込んでしまうシーンも。「原作でも描かれていて、大事に演じたいと思った部分。リアルで自然な演技を心がけた」と話す。
撮影にあたり強豪チームの競技を初めて目にした。「想像していたよりも激しく、格闘技のようだった」という。「でも一方で、小倉百人一首の歌の意味を知れば知るほどそこには広く深い世界があった」
「競技かるたをやっている人が見ると(自分の)動きが違うとすぐ分かる」と思い、畳を自宅に置いて特訓した。「(共演の)皆も同じように膝を真っ黒にしてタコを作って。本当に青春という感じだった」
昨年、是枝裕和監督の映画「海街diary」で姉妹の末っ子を演じた時は「台本もなく、監督にお任せだった」。今回は台本を読み込み、自分が感じたヒロインの心情を小泉徳宏監督に伝えてみたという。「小泉監督はどの場面も完璧なイメージを持っている。そんな監督と話し合いを繰り返し、最後にはリズムがうまく合っていった。新鮮で楽しい経験だった」
静岡生まれで、姉も女優でモデル。自身は「"1ミリ"も女優になりたいと思ったことはなかった」。芸能界に入らなかったら「1人でいるのが好きなので1人で静かに暮らしたいと思っていたかも」とほほ笑んだ。
[日本経済新聞夕刊2016年4月6日付]
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