彩り鮮烈で味わい爽やか ファミマのグラススイーツ
春になると、コンビニ商品も春らしいラインアップへと様変わりする。スイーツコーナーには旬のいちごを使った新作が数多く並び、見ているだけでもテンションが上がる。なかでもファミリーマートが2016年3月1日に発売しグラススイーツはかなり目を引く存在だ。
清涼感のあるビジュアルで視覚に訴求
グラススイーツはその名の通りグラスに入ったスイーツのことで、生クリームやチョコレートと一緒にフルーツやゼリーを重ねて入れたものが一般的。容器が透明なので見栄えがよく、ウェディングパーティなどのビュッフェでは定番のスイーツだ。ファミリーマートがグラススイーツを展開する理由を同社商品本部 川島裕氏は「季節感を演出する涼しげな見た目の商品で、お客様への視覚的・味覚的な購買意欲を高めていただくことが狙い」と話す。
ファミリーマートのグラススイーツは、いちごとブルーベリーで季節感を表現した「グラススイーツ ベリー」と、キウイやパインでフレッシュな印象に仕上げた「グラススイーツ フルーツ」の2種類。それぞれ赤と黄色のフルーツソースが目に鮮やかで、春らしさを感じるビジュアルになっている。
フルーツのほかにわらび餅風のゼリーを入れ、上部にはクリームをトッピングしている。わらび餅風ということは、通常のゼリーよりももちもちとした食感になっているものと思われる。「爽やかなフルーツのデザートに、あえてもちっとした食感を加えることで新しい味わいと驚きが感じられる」(川島氏)。確かに最近は、もっちりやふわふわといった食感に特徴があるスイーツが話題になることも多い。
透明な容器を使うグラススイーツはなんといっても見た目が重要。「特徴的なストレートカップのため、単純に中身を重ねてしまうと面白みのないものになるので見せ方に悩みました」(川島氏)と、開発時の苦労を語る。結果的に、ゼリーをカットした後に、ソースとフルーツと一緒に入れることで、バランスよく清涼感のある見た目に仕上げたという。
ターゲットとなる購買層は「若い方をメイン客層と見込んでいる」(川島氏)そうだが、多くの人が抱く"春=フルーツ"のイメージを鮮やかにビジュアル化しているため、老若男女問わず購買が期待できそうだ。
見た目の期待を裏切らないおいしさ
繰り返しになるが、ファミリーマートのグラススイーツはとにかく見た目がキレイ。彩り豊かなスイーツコーナーにおいてもひときわ目を引くビジュアルで、次々に発売されるコンビニスイーツの中でもトップクラスのインパクト。見かけた瞬間、視覚的にとりこになり思わず手が伸びる。
早速、2種類とも食べてみた。
旬のいちごをメインに使った「ベリー」は、甘味と酸味がバランスよく仕上がっている。上部にトッピングされているクリームは、ホイップクリームかと思いきや、いちごクリームになっているといううれしい裏切り。いちごムースのような軽い食感で口溶けがいい。いちごソースはやや甘めだが、中に入ったダイス状のいちごとブルーベリーの酸味でうまく調和を図っている。
キウイ、黄桃、パインを使った「フルーツ」は、パッションフルーツソースが爽やかで、ベリーよりもさっぱりとした味わい。酸味が強いというわけではなく、ほどよく感じる程度ですっきりしていて食べやすい。フルーツが3種類も入っているので異なる味わいが楽しめて、最後まで飽きずに食べられる。
そして、わらび餅風ゼリーが食感のアクセントに。ふわっと軟らかいクリーム&ソースの中で、もちもち食感が際立っている。しかも、もちっとしているにもかかわらず口溶けがよく、邪魔になるどころか食欲を増進させる。甘ったるくないソースと合わせて、あっという間に2つとも食べ終えてしまった。
見た目だけでなく、味に関してもこだわりが感じられたファミリーマートのグラススイーツ。ビジュアルを裏切らないおいしさがあり、これはリピートしたくなる。春らしい鮮やかな商品のため手土産にも喜ばれるだろう。今後も「グラススイーツに限らず、季節感を演出するスイーツを積極的に展開していく」(川島氏)とのことなので、ますます期待が高まる。
(ライター 津田昌宏)
[日経トレンディネット 2016年3月17日付の記事を再構成]
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